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◆不定期日記ログ◆

LOG 2019-07

■2019-07-03 : アラジンすぎるだろ
 ワイフが実写『アラジン』を観たいというのでついていったんですよ。
 でも俺は原作アニメのほうのアラジン(1992)を観ていないんですよ。

 さすがにあの有名な主題歌とか、魔法の絨毯や魔法のランプなどのアラビアンナイト由来の要素は知識としてありますが、その他に事前情報で知ってることといえば「青すぎるウィル・スミスが出る」ということと、「その青すぎるウィル・スミスは100%CG製」ということくらいです。


 そんな脆弱な姿勢で観に行ったので、アラジンとジャスミンが魔法の絨毯で飛ぶシーンで主題歌「A Whole New World(PV)」が流れ出したときにめっちゃ笑いました。

 「アラジンすぎるだろwww」と思いました。
 アラジンなので当たり前です。

 「こんな状況でホールニューワールド歌ったら完全にアラジンになっちゃうじゃんwww」と思いました。
 完全にアラジンなので何も問題ありません。

 とても言語化が難しい珍しい感情だったので記しておこうと思います。
 脳内反省会では、俺がアラジンの原作アニメを観ていなかったことと、そのうえで主題歌だけがアラジンを象徴する曲として反復的に刻み込まれていたことが要因の8割、残りの2割は青すぎるウィル・スミスによって今自分が何を観ているのか忘れていたこと、ということになりました。
 以上で脳内反省会を終わります。ありがとうございました。
 
■2019-07-09 : 訃報
 えも子、大往生をするの巻。
小帽院慎柔忍恵大姉
去年の様子

 なんと享年ほぼ20歳という実家の老猫ですが、7月9日、永眠したとの知らせが入りました。
 膀胱に腫瘍ができており、先週それが破裂して大量出血したのが直接の死因となりました。とはいえ病院で血液検査をしてもらったところ、出血以外には臓器にまったく異常がみられず、とうてい20歳とは思えぬ健康体だったとのこと。
 手術に耐えうる若い猫であれば手術するところですが、人間に換算して100歳近い高齢者なので、点滴と止血剤で処置して寝かせておくことしか手はありませんでした。

 先週お見舞いをしたときは、薬を飲ませてもおむつを被せても低いうなり声で「遺憾の意」を表明するだけの従順な患者でしたが、これは高齢や病気のせいではなく、えも子はもともとこういう猫だったのです。何をされても決して武力を行使しない猫でした。
 そのせいで人生の前半は先輩であるりんりんさんに威張られ、後半は後輩であるPさんに威張られて過ごしました。ただPさんについてはとにかく何かと牙を振りかざすので、母者が「こいつが病気になっても病院に連れていけない」と嘆いていました。

 しかし……えも子が崩御したということは、つまり次はこのPさんが実家の女王として即位するということ。もはやPさんは「家に入ることを許可された野良猫」のような扱いを受けており、今後を不安視する声が大きくなることは避けられません。政情が不安定な時期は続きそうです。

えも子2013
 お疲れさま。もう誰もお前に威張ったりはしない。
 
■2019-07-20 : ゆめにっき
 今朝こんな夢を見たんです。


 俺は仕事でHAL研を取材することになったんです。HAL研というのはあの『糸井重里のバス釣りNo.1』『ジャンボ尾崎のホールインワン』を手掛けたハル研究所のことです。すみません例を間違えました。カービィやスマブラを生み出したことで有名なハル研究所です。

 HAL研はいまでは東京都千代田区という立派な場所に本社を構えていますが、もともと山梨県にありました。俺が取材に行ったのはそこです。電車を降りて、坂の多い住宅街を登っていきます。日差しのきつい日でした。山梨は盆地なのでとても暑いのです。

 そうしてようやく指定の住所にたどり着きました。そこには築120年くらいの堂々とした日本家屋がありました。よく市の文化財に指定されている○○邸みたいな建物です。しかし俺はそこがHAL研であることを確信しており、ためらわずに敷居をまたぎました。

 庭園の石畳を進むと、まずひなびたサービスエリアのようなお土産コーナーがありました。あまり見ませんでしたが、カービィのストラップとかが並んでいました。そして入場口には、小中学生くらいの子が列をなしてチケットを買い求めていました。ここには日本中からゲームデザイナーを目指す子どもが見学に来るのです。

 俺はチケットを買って中に入りました。書院造の立派なお部屋がいくつか並んでおり、古い畳の上には戦前のゲーム開発の様子を示したパネルが立てられていました。今と比べたら極めて牧歌的な、しかし過酷な開発でした。残念ながらどんなゲームを作っていたのかは記憶に残っていません。

 数段の階段を上り、やや低い鴨居をくぐるようにして次の部屋に進みます。どうやらこの屋敷は傾斜地に建てられているらしく、ときどきこういった不自然な造りが見られます。その先は広間になっていて、開発者たちを支えたおかみさんの写真が俺を出迎えました。

 このおかみさんは快活な性格で徹夜続きのプログラマーたちを励まし、太陽のような存在であったと書かれています。そしてこの人こそがあのカービィを生んだ桜井政博氏の実母だということでした。俺は「これは次のNHK朝ドラの主役は間違いないな」と思いました。


 そこで目が覚めました。いったいどうしてこんなことになっちまったんだと俺は思いました。
 
■2019-07-21 : 仮想移動体通信
 以前「人の情弱を笑うな」という趣旨の主張をする中で、「面倒」という強大な理由を元に3大キャリアに金を払う選択をしたが、いよいよ格安SIMカードに切り替えるときが来たようだ。
 ちょうど2年前に、俺はスマホンの機種変更ついでに光回線の事業者を変えてセット割引を発動させた。要するにその2年縛りが切れるタイミングになったのだ。

 最近発表になった新料金プランには微塵も期待していなかった。
 ケータイキャリア各社がCMで出してくる数字はどうせ一番えげつないプランにハマったときしかその値段にならないのだという強い諦めの気持ちがある。CMで価格を謳われても何も心に響かないので、各社はもうユーザーの撮った猫動画でも流しておいてくれ。もしくは仮面ライダーエグゼイド・ムテキゲーマーの勇姿を流すやつでもいい。


 さて、キャリア変更をするためにはナンバーポータビリティをしないといけない。そのための予約番号はインターネットで取れる……とワイフから聞いていたが、電話か来店が必要と表示された。光回線とセットにしたためらしい。なにやら面倒な手続きの予感がしたのでショップへ行った。

 そこで明らかになったのは、「セットで割引にしているのに、光回線とスマートフォン回線の2年縛りが1年ずれている」という真実であった。
 俺はこのキャリアを14年使っている。2年前に光回線の事業者を移動し、このセット割を発動した。すべて偶数なのになぜこのような無法が通るのか。
 ……簡単な話で、俺の奇数年に勝手に「2年縛り」という悪法が生まれて適用されたのだろう。そして店員は奇数年と知りつつ光回線セット割引の営業をキメた。俺は完全にナメられていたわけだ。

 クレバーな男なら、まず光回線を解約・変更したうえで1年待ち、そのあとキャリアを変えるだろう。この悪法にはそのうち総務省の鉄槌も下されるはずだ。しかし俺にはもはや、ただちにこの邪悪な鎖を粉砕することしか考えられなかった。どうせ違約金は移動先業者のご新規さんキャンペーンで相殺される。なんたる虚無。なんたる虚構。


 こうして俺は3大キャリアに別れを告げ、MVNOの格安SIMカードを手に入れた。カードだけ差し替えれば何も変わらず使えてしまうが、ここまで苦労して請求書以外何も変化なし、というのも徒労感が強い。やはりなにかわくわくする要素が欲しい。そう思った俺はSIMフリーの端末を買い、機種変更を行った!

 新スマホンはえげつない補正力のAIカメラを持つとうわさの Google Pixel 3a
 Googleのストアで買ったら香港から発送されてきて、危うく新しいSIMカードの到着に間に合わないかと思ったけど空気を読んで同時に着いてくれたので良かった。

XperiaとPixel3a
新旧比較
 コンパクトと言いながら大型化していた Xperia X Compact と比べてもやはり大きい。ここまで大きいと戻るボタンに親指が届かないのでなんとかしたい。そういう不便をアプリで解決していくのがAndroidの利点……だったはずだ。
 だがWindowsと違い、Androidは頻繁に後方互換性を切る。今回もAndroidのバージョンが9になったことで、いくつかのアプリが互換性を切られた。どうせいずれ使えなくなるアプリなら、公式がお出ししてくる最強のUIに黙って慣れるのが最適解。親指を鍛えろというGoogle社からのお達しなのだ。

 失ったものばかり探すのはつらい。新しいものとしては Google Lens が標準で使えるようになっていて感激した。
Google Lens
マガモとゲームボーイ
 これさえあれば娘氏が公園で発見した草花や虫を即座に調べられる。5Gの未来はすぐそこに来ているな。


【7/31追記】
 10日ほどたったので、3大キャリアから格安SIMに乗り換えた感想、および Xperia X Compact から Pixel 3a に乗り換えた感想。
  • 4Gの速度は心配していたが、一日のほどんどをwifi環境下にいる人間には関係なかった。帰宅時間になると遅くなるとかいうのは都会に人間が多すぎるというだけのことだったのだ。首都機能を移転しろ。
  • 一ヶ月2GBで生きていくと決めたため多少は通信量を気にするようになった。とはいえこれまでも2GBを超えることは稀だったのでたいした影響はない。勝手に動画を再生するタイプの広告を貼ってるサイトは滅べ。
  • メモリが3GBから4GBになったおかげで、ポケモンGOしながら攻略サイトを開いてもポケモンGOが終了しなくなった。やはりメモリ4GBは基本的人権。しかしやりたいほうだいメモリを喰う最近のインターネットってどうなのよって思う。
  • wifiを掴む力が強くなった気がする。家から離れてもけっこう掴む。こういうのって性能よくなるんだな。
  • さすがに日本語フォントの美しさではSONYに軍配があがる。海外製のスマホンはなんかフォントが垢抜けねえんだよな。
 
■2019-07-31 : 好き嫌いをしないということ
 実は今年度よりワイフがお弁当を作ってくれるようになり、これがもうすごく助かっている。夜の貴重な時間を使ってお弁当を詰めてくれることには感謝しかない。
 なにしろカイシャで食う飯ほど面倒なものはない。正確には自分で食べるものを選ぶことが面倒で仕方ない。ここがあまりご理解頂けないので今回ご説明したい部分だ。


 俺は食べ物の好き嫌いをしないことが信条で、幼少のころより出された料理は何でも美味しく食べるよう教育されてきた。給食は毎日完食していたし、日々の食事も個人の割り当て分を残すことはなかった。

 しかし家を出て一人暮らしを始めた俺は困り果ててしまった。
 食事は用意されるものではなく、自分で調達するものとなった。しかし、自炊もしくは弁当を購入しようにも、まず「食べたい」と思うものがない。食欲はある。腹は満たしたい。しかし積極的に食べたいと思う食べ物がない。

 これは俺の周囲に劣悪な弁当屋しかないという意味でも、俺の好き嫌いが開花したという意味でもない。むしろ逆だ。何を選んでも美味しく食べることができ腹も完全に満たされるので、決断のための決定打がなく、減点法で選択することになる。
 幼少より身に付けた「食べ物の好き嫌いをしない」という姿勢がこの事態を招いてしまったのだ。

 あれは別に食べたくない、あれも別に食べたくない、ならば安い弁当にするか、いや最低限の野菜がないと即座に口内炎ができるので野菜が含まれない安物はだめだ、これは野菜がしっかり入っているが高い……減点法で選ぶ食事にはネガティブな要素しかない。
 そのうち選ぼうという気力も萎えてくるが、仮に完全栄養食であっても3食同じものを食べるのは体に悪い。「前回と同じ」という選択肢すら封じられ、ただただ「選びたくない」という膿んだ思考のみが頭を支配する。


 以前書いたように、本当に厳密に食べ物の好き嫌いを排除すると、「食べ物に一切執着しない」という無味乾燥な姿勢だけが残る。
 「なんでも美味しく食べる」といえば聞こえはいいが、好きも嫌いもないということは端的に言えば「なんでもいい」ということであり、いざ自分で食べるものを決めようというときに「何を食べたいのか本当にわからない」という状態に陥る。

 結局、人間の判断力の根っこは「好き嫌い」なのだ。ある判断を下すとき、どんなにデータを集めても、人間は最終的には自分が好ましいと思う方を選ぶ。「好ましさ」の指標がなければデータばかりが増大しオーバーフローするだけだ。AI社会の到来で、「好き嫌い」は人間固有の能力として重宝されることになるかもしれない。


 結婚し、ワイフが食事を担当してくれるようになって、この苦悩からようやく自由になれた。選択を他者に委ねて「自由になった」というのも変な話だが、決断力の消耗から解放されたのは確かだ。
 そして朝はそもそも決断力とか言っていられる状態ではない(参考)ので、このたび昼食がワイフの手で作られるようになって、俺は完全に自由になることができ、改めて決断力を消耗していたことを自覚したのである。


 そして話は突然かっぱ寿司のことになる。
 久しぶりにかっぱ寿司に行ったところ、そこではもはやスシは回っていなかった。席の端末で注文したネタがコンベアで運ばれてくるだけになっていた。
 確かに理にかなっている。大幅に廃棄を減らす事に繋がるだろう。しかし上記のような性質を持つ俺には過酷なディナーとなった。
 定番のネタと物珍しいネタを一通り発注すると、あとは圧倒的な「選べなさ」が俺を襲う。回っているスシは無駄ではなかったのだ。今しか取れないスシが提示されなければ決断できない人間がいるのだ。俺は結局満腹になるまでワイフが注文した皿を半分貰って過ごすことになった。

 おそらく俺はもうかっぱ寿司に行こうとは思わないだろう。だが家族が行こうと提案したら喜んで同行するだろう。俺は何でも美味しく食べられるのだから。