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◆不定期日記ログ◆

LOG 2008-05

■2008-05-02 : 餞別
 会社の同僚が、連休を利用してロンドン・パリに行くことになった。

 「フランス語全然できないけどどうしよう」
 「これだけ持っていけばOKッスよ」

 そういって俺は餞別として、
 Je ne sais pas parler Francais.(ワタシ フランスゴ ワカリマセン)
 と書き付けた紙切れをお渡しした。

 一昨年のフランス旅行で、俺の心の支えとなったメモだ。
 使わずに済むことを祈る。
 
■2008-05-08 : 草なぎ
 いまになって、いくつかのメディアで、
 SMAPの草彅剛のことを「草なぎ剛」と表記していることに気がついた。
 いわゆる交ぜ書きだ。
 このワープロ社会においても、いまだに交ぜ書きの慣習は根強く残っている。

 街中で「処方せん」と書かれたノボリを見るたびに、
 「ストレイツォ容赦せん!」と叫びたくなるのは僕だけではあるまい。

 ニュースで「覚せい剤」の見出しが出るたびに、
 曹操の声で「覚悟せい!」と再生されるのは僕だけではあるまい。

 銀行が「経営破たん」を危惧されるたびに、
 新たなる萌えキャラの誕生を予感するのは僕だけではあるまい。

 ヨーグルトのラベルに書いてある「はっ酵乳」の文字から、
 乳酸菌の気合をひしひし感じるのは僕だけではあるまい。

 ほかにも「市史編さん」とか「推せん図書」とか似たような状況は多々あり、
 それらの交ぜ書きが今日も僕の想像力を刺激している。

 漢字で表記することによって、単語間にスペースを入れなくても読みやすい、というのは日本語のナイスな点であると思うので、交ぜ書きは徐々に本来の漢字に戻っていくといいなと思っている。
 どっかの国のせいで「ら致」が頻出するようになってから、「拉致」という表記が目立つようになったことだし。


 で、冒頭の草なぎ剛の件ですが、
 半端に漢字にするくらいなら本人が「くさなぎ剛」に改名してしまえばいいのではないかと思った。
 しかしあまり「剛」を主張すると、堂本兄弟の光一君でない方が涙目になってしまうので難しいかもしれない。
 いっそカタカナで「クサナギ」にしてしまうのはどうか。
 山下智久が主演しそうだから駄目か。
 
■2008-05-15 : 常用漢字表
 前の日記で、常用漢字でない字の交ぜ書きについて触れた。

 火曜日の新聞が言うには(英語的表現)、その常用漢字表がそろそろ更新されるそうだ。
 なにしろこの激動の時代に、僕が生まれたころから更新されずにほったらかしにされていた遺物だ。さまざまな歪みを内包しており、改訂のしがいもあるだろう。

 そんな中、新たに追加される見込みの字の中に「羞」の字があった。

 マスコミが「『羞恥心』を読めない大人がいる」ということを広め、それを委員会が迅速に吸い上げる。
 このフットワーク…この国の政治もまだまだ捨てたもんじゃないな!
 
■2008-05-19 : 県名漢字
 前の日記で、常用漢字表の改訂について触れた。

 今回の改訂で、いままで常用漢字に含まれていなかった、大阪の「阪」や、岐阜の「阜」などが盛り込まれることになった。
 つまり、中学校までに習うことのなかった「県名のための漢字」を一気に追加した形になる。
 いままで固有名詞は「人名用漢字」などとして踏み込まなかったが、実際これらの漢字の中には、山梨の「梨」とか、鹿児島の「鹿」とか、県名以外でお世話になるものも多いので妥当な変更といえよう。

 話は変わるが、どうも僕は県名を書くのが苦手だ。
 「茨城」「栃木」と混同して「茨木」と書いたあと頭をひねる。
 「埼玉」は県庁所在地のせいで漢字で書くのが馬鹿馬鹿しい。
 「愛媛」にいたっては字面が「愛知」に似すぎていて、読むほうすら一瞬間違える。
 さらに「愛」がなんとか出てきたとしても「媛」が書けない二重の罠だ。
 あと常用だけど「神奈川」の「か」も出てこない。 
 ついでに「鳥取」は読みを意識すると「取鳥」と書きたくなる。

 きっと常用化でこのような混乱をする人も少なくなっていくのだろう。
 喜ばしいことだ。

 あと、静岡の「岡」や、奈良の「奈」などをさしおいて、密かにすでに常用漢字に入っている新潟の「潟」からは底知れぬ政治力を感じる。
 
■2008-05-27 : 重複表現祭り
【問題】
 次の文章を読んで、重複表現だと思うものがいくつ含まれているか答えなさい。

 みぞれ交じりの雨が降る中、私は北へ向かって沿岸ぞいに北上を続けていた。車窓の壮観な眺めに、故郷のリアス式海岸が思い出される。
 電車を降車すると、駅前広場には雪が積もっており、市場へ向かって轍の跡がいくつも付いていた。

 古来よりこのあたりは、たびたび大雪の被害を被ることがあり、一番最近では、一週間のあいだ雪に閉ざされたというニュースが注目を集めた。

 市場では初売りセールが行われており、子どもたちが騒々しく騒いでいる。
 こんなに寒いのは、PKO活動でモンブラン山のふもとの町に派遣されたとき以来だ。
 私はレストランに入ると、まず最初にコーンポタージュスープを買い、暖をとった。マンネリ化しているものの、私のマイブームでもあるし、今の現状から判断して一番ベストな選択肢に思えたからだ。客席は飽和状態で、店は繁盛しているようだった。

 仕事は秘密裏のうちに終わらせなければならない。
 私は酒の肴にエンドウ豆を注文すると、静かに銃の安全装置を外した。
 あらかじめ予定していた通り、ここからターゲットの男を狙う。

 銃の製造メーカーによると、この銃の射程距離は約50mくらいだそうだ。
 いまだ未熟な腕だが、危機感を感じることはなかった。本部でも「方法は私に全て一任する」という意見が過半数を超えたらしい。

 引き金を引くと、ターゲットは突然卒倒して倒れた。市場での思いがけないハプニングに、わきで傍観していたキリスト教の牧師が駆け寄り、とりあえず応急処置をしたようだが、あの傷では助かるまい。
 報酬はシティバンク銀行の口座に振り込まれているはずだ。
 雪の上に血痕の跡が残っていた。


【解答】省略

【解説】
 この問題で、あなたの日本語に対するケツの穴の広さがわかります。
 5個以下…その柔軟な姿勢で新鋭小説家になってください。めざせ山田悠介。
 40個以上…あなたの肛門は狭すぎます。なんだかんだいってゆとりは必要です。