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◆不定期日記ログ◆

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■2019-02-14 : 日本銀行券のなぞ
 旧正月が明けても旧おとそ気分の抜けない俺は、「旧おとしだま」の存在について考えるうち、ふと、「千円札が夏目漱石だったころ」が懐かしくなり、日本銀行のwebサイトを訪れた。

 それで初めて知ったのだが、夏目漱石のひとつ前、伊藤博文だったころのお札の裏には、日本銀行本店が堂々と描かれている。
日本銀行本店
日本銀行webサイトより
 どうやら同時期の五千円札にもこれが描かれていたらしい。
 考えてみれば不思議なことだ。発行者の本店の建物が堂々と描かれているのは手前味噌ではないか。nanacoカードにセブンアンドアイホールディングス本社ビルが描かれていたらさすがに「ストロング自意識かよ」って言うと思う。

 しかし歴史ある建物ではあるし、きっと何か話題になったタイミングだったのかも、と思って調べてみた。
  • 1896年 日本銀行本店竣工
  • 1963年 伊藤博文の千円券発行
  • 1957年 聖徳太子の五千円券発行
  • 1974年 日銀本店が国の重要文化財に登録
 竣工のタイミングからはかなり離れているし、文化財登録よりはだいぶ早い。いったいなぜこの時期に「我が本店をお札に印刷しよう!」と思ったのか。やはりストロング自意識なのか。それとも他にストロング自意識な国があってそれに習ったのか。オモテのことはともかく、ウラのことはあまり情報がないのでわからない。


 もういっそスーパーマーケットの地産地消コーナーみたいに「私が作りました」的なノリで書いておけばいい。
 どうせならスカシも造幣局……じゃなかった国立印刷局のえらい人の顔にしておくと生産者の顔が見えてあたたかみがある。電子決済が進む今こそ人の顔が見える製品を作るべきではないか(彼は狂っていた)。
 
■2018-07-01 : 来年の上半期こそ本気出す
 2018年の上半期が瞬く間に終わり、下半期が始まってしまった。
 ところで月の英語名は古代ローマの呼び方を継承している。由来を調べたところ、ざっと以下の通りである。

  • 1月 January
    ローマ神話の出入り口と扉の守護神ヤーヌス(Janus)より。
  • 2月 February
    ローマ神話に登場する月の神フェブルウス(Februus)より。
  • 3月 March
    ローマ神話における戦と農耕の神マールス(Mars)より。
  • 4月 April
    ギリシア神話における愛と美と性の女神アプロディーテー(Aphrodite)より。
  • 5月 May
    ローマ神話における豊穣の女神マイア(Maia)より。
  • 6月 June
    ローマ神話における結婚・出産を守護する女神ユーノー(Juno)より。
  • 7月 July
    ユリウス暦を作ったユリウス・カエサルより。
  • 8月 August
    初代ローマ皇帝アウグストゥスより。
  • 9月 September
    7番目の月の意。なぜ9月が7番目なのかは以前ふれたので略。
  • 10月 October
    8番目の月の意。
  • 11月 November
    9番目の月の意。
  • 12月 December
    10番目の月の意。
 上半期はだいたい神の名前にちなんでいるのに、下半期になると突如皇帝の名前が出てきて、そのあとただ数を数えるだけになることがわかるだろう。やはり古代ローマ人も下半期はやる気が出なかったのだ。来年の上半期こそ本気出す。
 
■2018-02-05 : 午前0時の交差点
 西洋のコトワザに「It's always darkest before the dawn.(夜明け前がいちばん暗い)」というのがある。要は止まない雨はないという励ましの言葉なんだと思うが、冷静に考えてみると夜明け前よりも深夜のほうがよっぽど暗い。
 気象庁の分類では、「夜明け」は「日の出の前の空が薄明るくなる頃」とされており、0時から3時を「未明」、3時から6時を「夜明け前→明け方」と呼んでいるようだ。これについてはdawnの持つ意味合いが日本語のそれとはちょっと違うのだろうと判断するしかない。

 では真に暗いのはいつになるのだろうか。深夜0時だろうか。日没から日の出までのちょうど真ん中だろうか。あれッひょっとして日没から日の出までのちょうど真ん中の時刻を1年間で平均すると0時になるのか? 0時ってなんなんだ?

 0時を考えるということは、その反対である12時(正午)を考えることでもある。前に考えたこととはちょっと違う。まず俺はざっくりした説明を求めてWikipediaを開いた。

正午(しょうご)とは、地方時において、天球上を一定の速さで動くと考えた平均太陽が地平線より上で子午線を通過(正中:南中または北中)する時刻をいう。

正午 - Wikipedia
 えっと……天球上を……一定の……平均太陽……?
 平均太陽というのがよくわからなかったが、1年間の太陽の動きを平均化したような仮想の概念と理解しておく。そしてこの場合の「子午線」とは、我が国では兵庫県明石市の東経135度線をさす。えっとつまり、正午というのはこの平均太陽が135度線を通過する瞬間と定義されているわけだ。

 ということは、明石市では、太陽が南中する時間を1年で平均するとだいたい12時ちょうどになる理屈だ。明石市の南中時間は解らないが、国立天文台の暦計算室に神戸市の南中時間がまとめられている。このデータを使って神戸市の南中時間を1年間でざっくり平均すると11時59分15秒となった。
 神戸市の経度は135.1833度。時刻は15度で1時間(3600秒)ずれるので、0.18度では43秒くらいずれる計算になる。東経135度ぴったりの地点では平均南中時間はほぼ正午になると考えてよさそうだ。誤差が2秒ほど出ているのは小数点以下を端折ったガバガバ計算だからだろうか。天文学に自信ニキは教えて欲しい。

 というわけで結論!
  • 「夜明け前がいちばん暗い」というが、夜明け前(明け方)は実際明るい
  • いちばん暗いのは日の入りから日の出までの中間地点
  • 東経135度上ではその時刻を年平均するとほぼ0時

 ……ということがわかったが何を調べていたんだっけ。
 
■2017-11-13 : 大浮世絵物語
 ウキヨエで有名な東洲斎写楽の活動期間が、たったの10ヶ月しかないことを知って驚いた。なお静岡県民は「写楽」と聞くとウキヨエより先にスシ屋の「東海道写楽」が出てくるため、今「東洲斎写楽」と入力することに大変な違和感をもっている。

 開幕から話がずれたので戻す。
 概容はWikipediaにも記載されているが、写楽の作品はすべて1794年の5月から翌年2月にかけて、4期にわけて発表されたらしい。この短い期間に150作近い作品を一気に発表してそのまま消えてしまった謎の絵師が、海外でも有名になり、200年たっても教科書にその名を刻んでいるのだから驚嘆というほかない。

 ところでWikipediaの記述で特に興味を引いたのがこれ。

役者絵は基本的に画中に描かれた役者の定紋や役柄役処などからその役者がその役で出ていた芝居の上演時期が月単位で特定できることから、これにより作画時期を検証することが現在の写楽研究の主流をなしている。

東洲斎写楽 - Wikipedia
 ウキヨエは常に流行の先端、つまりそのとき上映していた芝居を題材にして描くもの。考えてみれば当然である。江戸時代には動画配信サービスもDVD-BOXもない。そのような環境であれば二次創作は自然と「今期の覇権芝居」に集中するであろう。
 写楽が同人作家だとしたら、猛スピードで春アニメの同人誌を描き上げて5月のイベントに持ち込み、その独特な画風で一躍神絵師となった後3回のイベントで夏アニメ、秋アニメ、冬アニメの同人誌をさばくと忽然と姿を消した、という感覚だろうか。

 こうなると、写楽がたった10ヶ月で筆を折った理由もなんとなく想像できる。職場バレであろう。売れっ子同人作家だったことが職場に見つかってしまったのだ。実際、正体は阿波藩の武士階級の人物であるという説が濃厚のようだ。役者と交流していることが職場バレしたら厳罰は免れないと思われる。武士のオタク生活は大変なのだ。
 
■2017-07-05 : テディ倍安
 ご存じの方もおられると思うが、テディベアの「テディ」の名はアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領に由来する。ニューディール政策のフランクリン・ルーズベルト大統領とは別人なので留意願いたい。

 テディベアの名前の由来は、第26代アメリカ合衆国大統領セオドア・ルーズベルトの有名なエピーソードから生まれました。
 1902年の秋、ルーズベルト大統領は趣味である熊狩りに出掛け、瀕死のクマに出くわしました。しかし大統領は「瀕死の熊を撃つのはスポーツマン精神に反する」として、その熊を撃ちませんでした。
 このことがワシントンポスト紙に掲載され、それを見たお菓子屋さんが、一体の熊のぬいぐるみを作ました。
 そのぬいぐるみには、セオドア・ルーズベルトのニックネーム”テディ”をもらって”テディベア”と名付けたのがはじまりと言われています。

シュタイフ社webサイトより
 このエピソードを改めて読むと、ルーズベルト大統領はずいぶん国民から愛されていたんだなあという感想しか出てこない。
 仮にこれが日本国の安倍首相だったらマスコミはなんと書くだろうか。「国民が苦しんでいるときにのんびり狩りに出るなど言語道断」「瀕死のクマを放置するとはとんでもない」「ベア放置を許さない」などといった言葉が週刊誌や投書欄に踊る様子が容易に想像できる。さらに言えば「連日安倍首相の熊狩りのニュースばかりで○○法案の審議が報道されない、これは安倍政権による報道操作だ」とか言い出す人まで現れジゴクの様相を呈するであろう。

 昔はおおらかだった。昔と何が変わってしまったのかはわからない。ただ、最近の教科書では「ルーズベルト大統領」が「ローズベルト大統領」に変わりつつあるということは覚えて帰って下さい。
 
■2017-04-01 : 走馬燈のふしぎ
 人間は死の間際に、これまでの人生を走馬燈のように思い出すのだそうだ。
 しかしこの現代社会に生きる我々は、はたして人生の中で何度「走馬燈」の実物を見るだろうか。それが回っているところを見ずして死ぬ人も多いのではないだろうか。そんなよくわからないものが死の間際に予約されているというのも不思議な話だ。

 古代中国・前漢の出来事を記した『西京雑記』には、長安の匠人・丁緩がこの走馬燈のような仕組みをもつ「回り燈籠」を発明したという話が出てくる。おそらくこれが走馬燈の元祖であろう。いわば最古の映写機だったのではなかろうか。
 このあと日本に伝わったこの発明が、江戸時代に職人の手によって夏の夜の風物詩「走馬燈」として完成したことは、皆さんご存じの通りである。

 そして走馬燈は長崎貿易を経て東南アジアからヨーロッパへと渡り、ヴィクトリア朝全盛期のイギリスで驚きを持って迎えられた。特に回転をもってアニメーションさせるアイデアが注目され、この「ソーマトー」は当時の学者たちの間で、ギリシャ語で「回転」を意味する「trope」と合わせて「ソーマトロープ」と呼ばれるようになった。
 今でも英語の語彙の中には“Thaumato-”で「奇跡」「驚異」という意味合いをもつ単語が存在する。たとえばソーマタージュといえば奇術師とか魔術師という意味合いになる。以降、ソーマトロープは回転をもってアニメーションさせる装置の総称として独自の発展を遂げていくのである。
 こうして走馬燈の歴史を紐解いてみると、上記のことがほぼ口からでまかせであることがわかる。本日は自らのネットリテラシーを再確認する日であるので、どの部分が本当かは各自で確認してください。私からは以上です。
 
■2017-02-22 : 国語算数理科社会~♪
 小学校のころはずっと「こくご・さんすう・りか・しゃかい」だったのに、中学に上がって英語が加わったら突然「国・社・数・理・英」とか言い始めて、社会の位置がズルリと上がってきたのが何か気持ち悪かった。

 おそらく「国社数理英」の順序は文科省の学習指導要領の並びに従っているのだろう。第1節国語、第2節社会……と連なり、第5節から音楽とか美術とかの技能教科になって、第9節に外国語が来る。

 そして小学校の学習指導要領を見ると、こちらも並びは中学とおなじ「国社算理」になっている。しかし小学校低学年には理科と社会がない。したがってなし崩し的に「こくご・さんすう……」の並びになるのだろうと推察される。あと7・5調で語呂がいいことも、小学生にとってはメリットだろう。なんか歌があったような記憶がうっすらとある。


 次の学習指導要領から、小学校の外国語がスタートする。はたして「こくご・さんすう・りか・しゃかい」はいつまで仲良くこの順序を守っていられるだろうか。このあとに単純に「えいご」と加えると7・5調が崩れて語呂がよくない。中学と同じ流れに飲み込まれるか、あるいは英語を主要5教科としてカウントせずに現状を維持するか……。本当にどうでもいい話だと思うが注目している。
 
■2017-02-16 : 10ビット突破記念日
 今日は我が娘が誕生して、ちょうど1024日目にあたる。
 1024、それは1と0しか理解しないスイッチングデバイスと十本指の人間が編み出した調和の数。人間の頭脳にもいつかきっとインストールされる、そんな約束の数字。

 十本指……つまり10ビットの情報量でカウントできる数字の限界が1023である。我が娘は本日これを突破し、11ビット目に光が灯った形になる。
 桁を繰り上げるのは大変なのだ。次の桁が用意されていないがためにいきなり最小値に戻ってしまったり、3桁目を表示できないがためにレベル99を突破したときに「あ0」になってしまったりするのである。初代聖剣伝説に至ってはゲームが止まる。そのようなバグもなくここまで成長したことを、まずは素直に喜びたい。

 喜んでいるだけではアレなので、皆様にもこのシンピテキを感じてもらうべく、誕生日から数えて桁上がりが起こる日を計算する装置を一気呵成に作りあげました。自身やご子息ご息女の、次に桁が上がる日を確認してバグに備えてください。
 
 [桁上がり記念日計算機]

 我々の平均寿命がざっくり30000日くらいだということを改めて実感して震えている。89歳まで生きてやっと16ビット目(32768日)に到達する。
 人間のクラスに生存日数のプロパティが用意されていた場合、神はたぶんそれを16ビットのintegerに設定したのではないだろうか。まさか65635日以上生きる個体はいるまい。メモリを節約すべし。そんなふうに我々をプログラミングした可能性がある。
 なので、誰かサイバネ機構を駆使して180歳くらいまで生きてみてほしい。生存日数が65536日目に到達した瞬間、算術オーバーフローが発生し、生存0日目に戻るバグがあるかもしれない。やってみる価値はある。なにしろ人間は数学的には必ず死ぬとは限らないのだ。
 どうでもいいけど「算術オーバーフロー」という響きがやたら強そうに感じてしまうのはFFタクティクスのせいですよね。


 ここから技術的な余談になる。
 このプログラムを書いているときに初めて「2038年問題」にぶちあたって多少難儀した。2038年1月19日になると、時刻を扱うときに使われているUNIXTIMEの桁が溢れて、負の数になってしまうというものだ。これも平たく言ってしまえばオーバーフローの問題である。
 2038年以降の日数を計算するためにDateTimeクラスというものを初めて触ってみたが、現環境では日付の差を計算するdiffというファンクションが動かず、結局UNIXTIMEの数値を強引に足し算して新しいDateTimeクラスオブジェクトを作るという強引な実装になった。
 したがって、このプログラムは入力の段階では2038年問題の影響から抜け出せていない。入力を受け付けないようになっているので、2038年以降生まれの人は諦めてほしい。
 
■2016-10-17 : なぜ鏡は左右反対にうつるのか
 今や俺も二歳児の父。いずれ娘は成長し「ナンデ?」「ナンデ?」と言い出してご両親を困らせるだろう。そのときに備えてきちんと説明の手順をシミュレートしておく必要がある。


 たとえば「鏡はどうして左右反対にうつるのか?」だ。

 まず俺は以前述べたとおり、左右という概念をまったく信用していない。この3次元宇宙において極めて主観的なこの概念を、他者とのコミュニケーションに常用している惑星があるときいて首を傾げつつ生活している。娘氏にはこのような疎外感を味わって欲しくはないが、左右という概念に大きな欠陥があることは自覚していてほしい。


 そのような立場としては「別に左右反対にうつってなどいない」と答えるのが第一であろう。鏡は手前と奥を反転しているのであり左右反転したと思っているのはたまたま左右対称につくられた人類の浅薄なる発想にすぎない。もし人類がシオマネキのごとく巨大な右腕を持つ生物であれば、巨大な右腕のほうを「右」と定義したはずであり、それは鏡を見ても揺るぎない定義であろう。

また、左右反転したと思っているのは地球の重力に引かれ、地上を這うばかりの古い地球人の浅薄なる発想にすぎない。天井に張り付けられた鏡を見上げて、こう、右腕を上に突き出したとき、あれこっち右腕か?えーたぶんそうだな、右腕だ。その場合、天井の鏡の中のお前は左腕を上げているのか?鏡張りの床の上にミニスカのお嬢さんが立ち、侮蔑的な嘲笑を浮かべてお前を見ながらゆっくりと左足を上げたとき、お前が凝視している床の鏡の中のお嬢さんは右足を上げているのか?そんなわけはない。おい全然娘に説明するシチュエーションじゃねえぞ。


 たとえ話はともかく、「鏡が左右を反転したと思っているのは人類の錯覚。左右はその程度の概念」ということがうっすらとでも伝わることを願うばかりだ。
 ところで、こういう風にまず「本当に左右が反転しているのか?」と根幹を問い返すパターンはけっこう汎用性があるのではないだろうか。定義を確認しているうちにクレバーな解答を探す時間を稼ぐのだ。「質問を質問で返すなあーっ!!」と言われそうだが、その場合俺のジョジョ教育が成功している世界線なのでそれはそれでいい。
 
■2016-07-05 : 変な木のアイコンの件
 なんかWindowsに変な木のアイコンあるじゃないですか。
 変な木っていうのは、えーと、デスクトップに置いたショートカットのアイコンを変更しようとすると表示されるあれです。
windwos tree icon
shell32.dllの木
 このshell32.dllに含まれているアイコンの、まわりのXP~7めいたデザインの中に堂々と屹立する「ザ・Windows95」みたいな色数の木!
 いったいこいつは何なんですか、いつまでこのデザインでここにいるつもりなんですか。それを調べるため、取材班はGoogle検索窓を開いた!

 ……とはいえ検索方法がさっぱりわからない。「Windows 木のアイコン」とかで検索しても木目デザインのアイコンセットがひっかかったりするだけで、まったく手がかりがない。最終的にこのアイコンを切り出してGoogle画像検索にブチこみ、それに「shell32」の検索ワードを追加することで、このアイコンに言及しているページをいくつか見つけることができた。

 そのうち海外の大型掲示板redditに「tree.ico apparently added in win95, but what is it for?」というそのものズバリなスレッドを見つけることができた。嬉々としてたどたどしく訳していくと、「Novell社のNetWareというソフトのログイン画面に使われていた」という情報に行き当たった。
 さっそく「netware login」などで手当たりしだい画像検索してみると、確かにある。
netware login
Novell社のサイトより
 NetWareとは……?調べてみるとどうやら、サーバー用OSの一種らしい。WindowsNTとかより前に使われていたようだ。しかしなぜそれがWindowsの標準アイコンに入り込んでいるのかまでは、調べがつかなかった。

 調べがつかなかったので……ボトルメールをTwitterという海に放流した!

Windowsのshell32.dllに昔からずーっとあるダッサい木のアイコンなんなの?調べまくったらNetWareとかいうソフトに使われてたっていう情報があったけど……Windows黎明期に自信ニキがいたら教えてくれ……

@onesideflat 2016年6月21日
 たかだか100人のフォロワーで情報が集まるとは思えなかったが、もしかしたら後の世に疑問を持って検索してくる人がいるかもしれない。そう考えればたとえ俺の道がここで潰えても無駄ではあるまい……。

 と思ったら、10日くらいしたところで突如6件くらいリツイートされ、わずか10RTで重要な情報が寄せられたのであった。すげえなTwitter集合知。
 詳しい内容は当該のツイートを見ていただくとして、調べたことと合わせてまとめると以下のようになる。
  • WindowsNT以前から、社内LANでプリンタを共有したり、共有フォルダを使ったりするのにNetWareというサーバー用OSが使われていた
  • NetWareはプリンタやPCやその下の共有フォルダなどをツリー形式で管理していたので、その象徴として木のアイコンがあった
  • Windowsは当初NetWareをサポートしていたためこの木のアイコンがシェルに含まれることになったが、今はもうサポートしておらず、古いデザインのアイコンがそのまま残っている

 ありがとうございました@rei_softwareさん……そしてそこまで拡散してくれた人々……もしさらに正確な情報をお持ちの方がいたら追記しますので教えて下さい……。
 
■2016-06-09 : 国名を冠する元素
 珍しくニュースより。

日本の理化学研究所のグループが発見し、日本に初めて命名権が与えられた「113番元素」について、化学に関する国際機関は名前の案を日本の提案どおり、日本ということばを取り入れた「ニホニウム」に決め、日本時間の8日午後10時半、ホームページで発表しました。また、元素記号の案を「Nh」に決めたと併せて発表しました。

(NHK NEWSWEB 6月9日 4時48分)
 新元素名「ニホニウム」が国際的に正式決定されるにはまだ半年近い時間がかかるようだが、この「国名を冠する」ことに対して気恥ずかしさを感じる諸兄もおられよう。
 元素表を見れば「フランシウム」「アメリシウム」など地名を冠した元素はたくさん見つかるので、ちょっと地名由来の元素名を調べてみることにした。以降、Wikipediaに毛が生えた程度の情報しか調べていないことをご了承いただきたい。


 新しい元素のほうから当たっていくと、「ダルムスタチウム」「ドブニウム」など研究所のある都市からとられた名前が多いことがわかる。やはり元素を発見しまくって国名などとうの昔につけてしまった欧米は余裕が違う……と思いかけたが、研究チームが国際化している現代においては当然の措置といえよう。
 理化学研究所は埼玉県和光市にあるので、これに従うと「サイタミウム」とかになる。急にニンジャスレイヤー感が増してきた。サイタマの語感が持つ存在感はすごい。

 先ほど出た「アメリシウム」だが、これは単純に「我が合衆国が見つけたぜ!USA!USA!」という意味ではなく、元素周期表で「ユウロピウム」との位置関係で、アメリカ大陸から名付けられたものらしい。アメリシウムを発見したカリフォルニア大学バークレー校は、このあと立て続けに「カリホルニウム」「バークリウム」を命名しており余裕がすごい。理研におかれましては引き続き「サイタミウム」と「ワコニウム」を探していただくほかない。
 ところでアメリシウムって地名由来でいいんだよね……?さすがにアメリゴ・ヴェスプッチの威光はここまで届いてこないよな?

 「フランシウム」については国名由来であることは間違いなさそうだが、それより遙か前にフランスのラテン語名「ガリア」を冠したと思われる「ガリウム」があり、パリの古名ルテティアにちなんだ「ルテチウム」があるので今更感がある。この「旧国名・旧地名を冠する」というパターンは他にもドイツの「ゲルマニウム」をはじめとして数多くある。
 なぜ現在の国名でなく古い国名を使ったのかはわからなかったが、なかなか奥ゆかしい命名法ではなかろうか。これに従うと日本は「ヒノモティウム」とか、埼玉で武蔵国なら「ムサシウム」が使える。ムサシはかっこいいと思うがなんかむさ苦しそうだな。

 あと国名を冠していそうなのはポーランドの「ポロニウム」だが、これが発見されたころポーランドは絶賛分割中であり、国家としては存在しなかった。これはかなりデリケートな命名だったのではないだろうか。だって台湾のチームが発見して「中華みんこキウム」とか名付けたら中国共産党は激おこになるでしょ。よく通ったな。それだけキュリー夫妻の能力が高かったのか。


 こうして調べてみると、意外と「いきなり国名をストレートにつける」という例はあまりないことがわかる。が、当然理研の先生方はこういった命名の歴史を重々ふまえた上で「ニホニウム」を選んできているわけで、そこに意見をさしはさむ意図はまったくない。

 ただひとつ、語源の由来を調べていて特筆しておきたいことがある。

  • イッテルビウム……スウェーデンの小さな町イッテルビーから。
  • エルビウム……スウェーデンの小さな町イッテルビーから。
  • テルビウム……スウェーデンの小さな町イッテルビーから。
  • イットリウム……スウェーデンの小さな町イッテルビーから。

 スウェーデンの小さな町イッテルビー何者だよ……調べてみると採石場から珍しい鉱石が出たらしいがいくらなんでもちなみすぎだろ!上九一色村から「カミクイシキウム」と「カミクイシウム」と「クイシウム」と「シキウム」が発見されたらさすがにおかしいと思うだろ!特にイットリウムがあるのにイッテルビウムを命名した班!なんとかならなかったのか!?
 
■2016-01-26 : 金太郎は過大評価では?
 金太郎をご存じだろうか。
 愚問である。誰もが知っている。彼はよくわからんハレンチな赤い布をまとい、熊を使役し、マサカリを武器とした。みんな知っている。そのことは知っている。
 だが彼は何をした人なのか、そこまで来るとほとんどの人が口を閉ざす。昔の日記で「知名度のわりに実態が知られていない」と危惧したが、その思いは強まるばかりである。娘の絵本に彼の物語が載っていた。今なら青空文庫にもある。時間のある人は今一度目を通してみてほしい。

 金太郎 - 青空文庫

 終わり方がひどい。思っていたよりひどい。
 主人公の紹介を終え、熊とチュートリアルバトルをして、お侍さんにスカウトされ、いよいよ都で本格バトルだ、というところで無慈悲に終了する。なんなの?体験版なの?少年ジャンプの10週打ち切り漫画でももうちょっと話を転がすぞ。
 だってお前「マサカリかついだ金太郎~♪」っていうオープニングテーマも公開されてただろ。プレスリリースには仲間とともに大江山ステージで酒呑童子と戦う迫力の画面写真もあったじゃん。なんで体験版だけ出してアワレにも倒産しちまったんだよ。ダメじゃない?これ語り継いじゃダメじゃない?静岡県ゆかりの彼をあまり責めたくないけど、少なくとも桃太郎とか浦島太郎と肩を並べていい作品じゃなくないこれ?


 金太郎がここまでの地位を築けたのは、おかっぱ頭と斧とよくわからんハレンチな赤い布、というわかりやすい記号性が、五月人形などのフィギュア原型師に愛されたからであろうと推測する。公式からの供給が途中で消滅したのに、同人グッズだけはさかんに作られている希有なジャンルなのかもしれない。
 
■2015-10-17 : クレーンの語源
「あーあの港にある、ダチョウみたいなでっかいクレーンね」

「ダチョウみたいというか、クレーンの語源はクレイン、つまり鶴なので、鶴みたいといったほうが正確ですね」

「なるほど」

「今のはテキトーに思いついたことなので真に受けないで下さい」

「なんだよ」


 ……と息をするように口から出任せを言っていたのだが、調べてみるとガチで鶴が語源のようだった。なんだよマジかよ鶴が吊るとかオヤジギャグになっちゃうじゃねーかやめろよ。
 
■2015-08-17 : 酒の部首名
 「酒」の部首がさんずいではなく「酉」だと聞いたときは中国人ふざけんなと思った。
 「聞」の部首がもんがまえではなく「耳」だと聞いたときもふざけんなと思ったが、これはまあよく考えれば「聞くときに大事なのは門じゃなくて耳だよなあ」と納得できたのでグッとこらえることができた。
 だがなんで酒がトリなんだよ!ふざけんなトリ並みの頭しやがって!

 悔しいので調べてみたが、やはりそれはまぎれもない事実であった。

この謎を解くためには、「酉」について考える必要があります。この部首は「とりへん」とか「ひよみのとり」とかいう名前で呼ぶので、なんとなく鳥と関係がありそうな気がしますが、それは「酉」がたまたま十二支で「とり」と読むからだけのことです。もともとは、この字はなんと、お酒をいれる容器を表す象形文字だったのです!

漢字文化資料館 漢字Q&A
 そういえばそうだった。かつて十二支のことを調べたとき、あの漢字群はただの順序を示すものであって、動物は後付けのイメージキャラクターにすぎない、ということを知ったのだった。「酉」は鶏とはまったく関係ない。確かに手元の漢和辞典の「酉」の項にも「象形。口の細い酒つぼを描いたもの」と書かれていた。「酌」とか「酔」とかを見ればわかるとおり、「酉」こそが「酒」の本体だったのだ。
 すまん中国人。だがやっぱふざけんなと言いたい。
 
■2015-05-15 : エシャレットとエシャロット
 大変に紛らわしいことなのだが、「エシャレット」はラッキョウで、「エシャロット」はラッキョウでない。(参考:農水省消費者相談)
 「エシャロット」はなんか小さいタマネギみたいなフランスの野菜で、もこみち兄さんの使うようなオシャレ野菜の売っているお店でないとまず見かけないのでなんとかなっているが、紛らわしいことこの上ない。
 発祥の詳細が不明なので完全に想像になるが、若採りのラッキョウを売り出す際、キャッチーな愛称が欲しいということで、何か形が似ているフランスのオシャレな野菜の名前を貰ったのではなかろうか。写真を見る限り似ても似つかないが。


 実は「ゴーフル」もこれに似た状況なのではないか?と思った。
 フランスで「gaufre」と言えば、それは我々のよく知るワッフルのことらしい。
 日本のゴーフルの発祥は諸説あるようだが、発売当時にオシャレな名称が欲しいということで、何か形が似ているフランスの洋菓子から名前を取ったのではあるまいか。今となっては似ても似つかないが。


 ところで「ウエハース」も英語表記だと「wafer」なので、あれもワッフルの仲間なのだろう。
 改めてワッフルの幅広さを確認した形だ。
 
■2014-06-13 : 13周年
 この13日の金曜日に、どうやら当サイトは13周年を迎えたようです。

 映画『13日の金曜日』をはじめとして、欧米では13は忌み数として扱われている。理由を調べてみるとだいたいキリストさんとユダさんが出てくるが、これは後世のこじつけだと思う。実際は、12という数のスゴさを実感していた古代の人が、そこからはみ出す第一歩である13を恐れたのではないか。誰でもループから抜けて新しい一歩を踏み出すことには恐れがあるものだ。

 しかしこれは12が偉大すぎるだけで、決して13がキリの悪い数字だということを意味しない。
 たとえばトランプは1スート13枚である。最初は地域によってバラバラだった枚数が、いつのまにか13枚という形で標準化されていったようだ。
 なぜ13枚になったかという点については、全52枚が「52週≒1年」を示している、という面白い俗説がある。そういえば1クールは13週だった。4クールやるドラマやアニメは全52話であることが多い。ぜひカブトボーグ各話名シーントランプとか作って欲しい。

 はたしてこのサイトに書かれることが、ループを抜けた新しいものに変わるだろうか?
 アカチャンが生まれたからといって急に育児日記サイトになるようなこともなさそうだし、たぶんもうしばらく変わらないだろう。今後もゆっくり更新していく。