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◆不定期日記ログ◆

CATEGORY 映画

■2019-07-03 : アラジンすぎるだろ
 ワイフが実写『アラジン』を観たいというのでついていったんですよ。
 でも俺は原作アニメのほうのアラジン(1992)を観ていないんですよ。

 さすがにあの有名な主題歌とか、魔法の絨毯や魔法のランプなどのアラビアンナイト由来の要素は知識としてありますが、その他に事前情報で知ってることといえば「青すぎるウィル・スミスが出る」ということと、「その青すぎるウィル・スミスは100%CG製」ということくらいです。


 そんな脆弱な姿勢で観に行ったので、アラジンとジャスミンが魔法の絨毯で飛ぶシーンで主題歌「A Whole New World(PV)」が流れ出したときにめっちゃ笑いました。

 「アラジンすぎるだろwww」と思いました。
 アラジンなので当たり前です。

 「こんな状況でホールニューワールド歌ったら完全にアラジンになっちゃうじゃんwww」と思いました。
 完全にアラジンなので何も問題ありません。

 とても言語化が難しい珍しい感情だったので記しておこうと思います。
 脳内反省会では、俺がアラジンの原作アニメを観ていなかったことと、そのうえで主題歌だけがアラジンを象徴する曲として反復的に刻み込まれていたことが要因の8割、残りの2割は青すぎるウィル・スミスによって今自分が何を観ているのか忘れていたこと、ということになりました。
 以上で脳内反省会を終わります。ありがとうございました。
 
■2019-05-18 : ピカチュウのしわしわ大捜索!
 しわピカこと実写映画版『名探偵ピカチュウ』を観た。
 ポケモンは赤緑・金銀世代、アニポケは履修しておらず、ポケモンGOは初代151匹をそろえて小躍りしている程度の習熟度。もちろん3DSの原作ゲームはプレイしていない。
 以降、物語の本筋とは関係のない程度のネタバレを含む。


 思った以上にしわピカがしわしわで笑った。シリアスな会話ほど眉間にしわが寄るので笑える。ライアン・レイノルズの表情をモーションキャプチャーしているらしい。最初にモーションをピカチュウに適用したスタッフめっちゃ笑ったと思う。羨ましい。メイキングが観たい。

 画面の情報量が多そうだったので吹き替え版を観た。主演が竹内涼真でヒロインが飯豊まりえと聞いて「声優じゃねえのかよクソ」って言ってる人は真面目にスーパーヒーロータイムを観ろ。過去10年分くらい観ろ。ニチアサで鍛えられた俳優をナメてはいけないということが理解できるはずだ。でもさすがに竹内涼真本人がモンスターボールを投げるワンカットでハリウッドデビューしてしまったのは驚いた。お前バトルおにいさんを差し置いて……!

 実際画面は情報量の暴力であり、往来に映り込むリアルポケモンのなじみっぷりがすごかった。なんかやたら個体数多くね? っていう奴もいたけど、たぶん飼いやすいとか流行ってるとかそういうのがあるんだろう、と納得させる程度にはなじんでいた。俺の推しであるコイルが出なかった点は残念。あの子貼るべきテクスチャもわかりやすいしいちばん実写化しやすそうじゃない??

 テクスチャっていうか質感全般なんだけど、元気なときのピカチュウのフッサフサの毛並みと、瀕死のときのボサボサした毛の質感の違いがものすごい説得力をもって描かれていた。我が家で生き、死んでいったハムスターのことを思い出した。死ぬ間際のげっ歯類をよく観察しているなと思った。

 「名探偵」とはいうものの推理モノの要素は薄く、エンディングから逆算すると「黒幕は主人公に何をして欲しかったのか?」とか「ミュウツーは主人公の父親をどうしたかったのか?」とかよくわからん部分がゴロゴロ出てくるんだけど、そんな疑問はエンドロール直前に突然オーケストラでさしこまれる“おなじみのタイトルBGM”にすべて粉砕され、俺は涙で頬をべっちょべちょにしながら滲むエンドロールを眺めているしかなかった。

 つまり、これに端を発しこれで確定的になったマイベスト映画がついに3つになった形になる。
 これで俺は「泣ける映画を3つ挙げて下さい」という問いに対して、
  1. 『名探偵ピカチュウ』…おなじみの音楽がハイクオリティでどーんって来るから
  2. 『ボヘミアンラプソディ』…おなじみの音楽がハイクオリティでどーんって来るから
  3. 『映画プリキュア オールスターメモリーズ』…おなじみの音楽がハイクオリティでどーんって来るから
 と回答することになってしまった。手羽を殺すにゃ刃物はいらぬ、おなじみの音楽がどーんって来ればいい。
 
■2019-01-17 : 自由人の狂想曲
 映画ボヘミアン・ラプソディを観てきた。
 ネタバレ:主人公が死にます。


 評判は聞いていた。しかし俺はあまりクイーンに思い入れがない。ニワカにもほどがある。
 そう言うと「いやいや別に古参ファンでなくてもいいでしょ」と擁護されそうなので告白すると、俺はジョジョ4部を読んでクイーンのアルバムをTSUTAYAで借り、クロマティ高校でフレディの容姿を知るレベルのニワカである。そんな俺が観衆に混じってはガチのファンの人に対してシツレイにあたるのではないか、そんな要らん尻ごみをしていた。だがその姿勢は完全に間違っていた。


 まず歌が違った。たぶん原曲しか使われないんだろうな~~とタカをくくっていた。実際は原曲も使われていたが、観てる間はそれは完全にR・E・A・Lだった。完全に録りなおしたようにしか聴こえなかった。デジタルリマスターのテックと代役シンガーのすごい何かが完全に調和しておりかなりすごい。

 次にブライアン・メイが違った。いや何一つ違わなかった。正直ブライアン・メイについてはボヘミアンラプソディのPV(あのゆうめいな顔がよっつあるやつだ)とロンドン五輪でしか見たことがないはずなのに、初見で「あっギターのひとだ」と解るレベルの説得力があった。調べたら本人も絶賛していた。フレディについては時代が進むたびに俺の知っているビジュアルに近づいていくのが最高だった。


 そんなシンクロ具合だったので最後のライブシーンでの怒涛のメドレーは泣くしかなかった。俺はドキュメンタリー映画を観ていたはずなのにいつの間にか1985年のライブをパブリックビューイングしていた。ここに We Are The Champions をブチこまれたら誰だって泣く。

 これで晴れて、去年からの懸念点だった「映画館で涙を流す」という目的を達成することができた。もう「泣ける映画といえば何ですか?」という問いに「はい、映画プリキュアオールスターズメモリーズです!」と答えなくて済むのだ。ありがとうクイーン。ありがとうフレディマーキュリー。
 
■2018-12-26 : 聖なる夜の映画事情
 今年中に観ておかなければと思っていた『カメラを止めるな!』を観た。まず観る予定のない人のためにネタバレを含む説明をしておきたい。



 冒頭からいきなりゾンビ映画が始まる。ゾンビ・サメ・ナチスといえばB級映画題材の御三家と言われているが[誰によって?]、そこにさらに「どうやらカットなしの超長回しで撮っているらしい」というトンチキ要素が加わり、さらにカオスになっていく。
 そして「いくらB級映画とはいえこのクオリティはどうなんだ……?」と疑問を抱かれつつ、30分程度のゾンビ映画は終了する。いくつもの不審な点を残して。

 そこからの残り時間で、この「全編ワンカット生放送ゾンビ映画」という企画がどうスタートしてどう撮影されたのか、その壮大なメイキングが明らかになる。さまざまなトラブルがふりかかった末に、冒頭の映画はあのようなクオリティになった。そういう「答え合わせ」の爽快感と、なんとか作品を完成させたメンバーの結束や家族の絆がにじみ出ることで、最終的になんかいい話になっているという不思議なメタ映画だった。



 そして我々は勇気を得た。地雷を踏み抜く勇気である。
 具体的にはクリスマスの深夜にあえてこれを観るという勇気である。

『フランケンジョーズ』2016年
1942年。第二次世界大戦の劣勢を打破する為、ナチスが極秘に開発していた生物兵器が破壊され、この失態でドイツは敗戦した。そして、現代。海辺の小さな町に突如巻き起こった鮫の襲撃騒動。町民は鮫退治に乗り出すが、彼らが見たのは世にもおぞましい人造生命体フランケンジョーズだった!

フランケンジョーズ(Prime Video)
 もう酷い。あらゆる点がB級どころか映像作品としてのクオリティに達していない。
 そのクオリティの低さたるや、観ながら「絵が来た」「バグったHavokでもここまで酷くない」「がんこちゃん動かす人って凄かったんだな」「スパロボ風に殺すな」「役者さんもどこ見てビビッていいかわかんなくなってる」「クライマックスくらい腹から声出せ」と思う存分ツッコむことができる。

 そして『カメラを止めるな!』を観たばかりの俺には、こんな作品でも、その裏側にはさまざまなトラブルや障壁があったことが想像できてしまうのだ。きっとCG班が事故ったんだろう。演技指導の人がハッパでラリっていたのかもしれない。エキストラを現地調達した可能性もある。これだけ酷い作品が、それでも完成してしまったというのだから、よほど酷い状況と、それでも消えない情熱があったのだ。

 『カメラを止めるな!』を観て良かった。おかげで世界が輝いて見える。でもフランケンジョーズ、おまえは臆面もなく続編を匂わすのをやめろ。いくらなんでもそこまで心を広く持てない。
 
■2018-11-09 : 生涯ベストワン映画制作委員会
 Twitterで #生涯ベストワン映画 というタグがあり、俺は窮地に追い込まれた。

 本来、自分が観てきた映画の頂点を1作に決めることなどできるはずがないのだが、困ったことに俺の場合は明確な基準を設けることによりその1作が決まってしまうのだ。
 その基準とは「映画館で涙を流した」であり、その1作とは先月の『映画 HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』である。
 
 これは大変なことになった。
 映画プリキュアが素晴らしかったことに異論はないが、これが俺の「生涯ベストワン映画」になってしまうのは困る。
 言い訳がましくて申し訳ないが、まず俺の涙腺の配線がおかしなことになっている件についてのご理解を頂きたい[事例1][事例2][事例3]。サントラ即泣きおじさんにとってプリキュア主題歌インストアレンジオールスターメドレーはその文字列だけでも涙腺を破壊する威力があり、仮にそれが流れるのがどうでもいいシーンだったとしても俺は泣いていたであろう。

 これまで映画館で泣いたことはまったくなかったし、DVD等で観たのを含めると唯一実写版『キミとボク』が該当するが、これも原作付きなうえ、序盤にパッヘルベルのカノンが流れ始めた時点でもう泣いていたので完全にパブロフの犬であることがわかる(猫映画なのに)。このような体質で他にどうやって映画館で泣けというのか。しかし泣くことができなければ自動的に映画プリキュアが唯一無二になってしまう。なんとかしなければ。


 俺は一生懸命想像した。劇場で俺が泣きうるシチュエーションを。とにかく良く知っている音楽を唐突にブチこめば俺の涙腺はバカになるのだ。
 そういう意味では現在やってる『ボヘミアン・ラプソディ』なんかは良さそうに見えるが、QUEENにそこまで思い入れが強くないうえ、ブチこまれるのがたぶん原曲なので唐突感も弱い。これでは駄目だ。(※2019-01-17追記あり)

 そういえば『ひるね姫』は涙腺崩壊案件に近かった。あの下村陽子が! 冒頭から聖剣伝説LoMめいた劇伴を! 惜しみなく! さらにはあのゆうめいな Daydream Believer の編曲まで! 完全に事前の作曲者情報に振り回されているが、俺が未プレイのパズドラ曲をイトケンというだけで泣いてる男であることを忘れてはいけない。


 結論として、『風の谷のナウシカ完全版』が製作され、そこに潤沢な予算に支えられたフルオーケストラによるナウシカBGMの数々を23.1chのスピーカーでぶち込まれたら、俺は全方位から押し寄せる久石譲エナジーの前になすすべもなくボロ泣きするであろうことが容易に想像できた。宮崎監督と庵野監督は頑張って下さい。続編とかじゃなく完全版でお願いします。
 
■2018-04-30 : 俺はバンギラスで行く
 4歳児をワイフに任せ、『レディ・プレイヤー1』を観てきた。
 ぶっちゃけこの邦題、というかカタカナ表記はだいぶイケてないと思う。久々の「邦題つけろ」案件ではなかろうか。
 映画のオープニングでは、「オアシス」というネットゲームの説明のあと「READY PLAYER ONE」って出るので、ああ、これはゲーム開始前の決まり文句だなと実感できるが、カタカナで書かれるとぜんぜん伝わってこない。
 とはいえそもそも原作小説が『ゲーム・ウォーズ』という2018年にはちょっとつらいタイトルになっているのでこのへんに深入りするのはやめよう。

 とにかく噂に聞いた通り、版権キャラがたびたび映りこんでくるので画面の情報量が半端ない。字幕で見たかったがこれは吹替で正解だったかもしれない。ただ「2D字幕」と「3D吹替」の二択(最近増えてんの?)となるので望まぬ3Dメガネをかけるはめになった。まあ上映時間の関係で選択肢はなかったんだが。

 版権キャラはいわゆるアバターなので、『シュガーラッシュ』みたいにキャラクターとして出てくるわけじゃあない。しかも大半が一瞬しか出てこない。
 それでも、物語から切り離されてもなお残る版権のパワーっていうのは確かにあって、カーチェイスあるあるの「交差点につっこんできたタンクローリーの下を車体を倒して抜けるバイク」みたいなシーンも、そのバイクがAKIRAの金田(さんを付けろよ)のバイクっていうだけでなんか特別に見えてしまう。
 そして、版権要素の登場はキャラクターやマシンがメインだと思っていたので、「第二の鍵」の舞台に突入したときにはめちゃくちゃ笑った。アレの存在を知らずに映画館に行けたことは、この大ネタバレ時代にとっては本当に幸運だったと思う。



 ここから先はストーリーに関する気になった点を記していく流れになるので、ネタバレを避けたい人はこのセクションを読み飛ばして欲しい。



 まず悪の企業として出てくるアイ・オー・アイが、いったいどれほど悪いのか、そこんとこをキッチリ描いてほしかったなあと思う。いきなり主人公の自宅を爆破するヤベー奴なのはわかるんだけど、その前に、一般ユーザーレベルでどのくらいヘイトを買ってるのかが知りたかった。このへんの描写が物足りなかったので、最終決戦で続々と人が集まるシーンがなんかギャグっぽく見えちゃったんだよね。
 でもアイ・オー・アイ社は排出率が不明瞭な青天井ガチャでヒロインの父親を課金沼に引きずり込んで破産させて地下帝国送りにしてるんだよね? ヒロインの坂本真綾がそんなこと言ってたよね? そういう話がもっと欲しかった。
 なので2018年に生きる俺としては、オアシス内に誤タップを誘うオーバーレイ広告を出しまくってるとか、社畜を大量動員して検索順位だけは高い虚無攻略サイトを運営してるとか、そういう描写を勝手に補完して観ていた。くそっアイ・オー・アイ絶対許さねえ!!
 それにしてもアイ・オー・アイ社、地下帝国に落とした債務者を使って地道に人海戦術で鍵の発掘作業をしていて悲しかった。オープニングでMinecraftとか出てくるくらいなのに、なんかMODとか作ってガーッとできないのかよ……

 あと主人公とヒロインが直接会ってからの距離の縮まり方が早すぎる! と思ったけど、これはもうネットで知り合って友達になるのが当たり前の時代の距離感なのかもしれない。でも本名で呼ぶかHNで呼ぶか迷うシーンはもう要らなくない? 俺なんて高校時代の友人とリアルで会うときすらHN呼びだぞ。……よく考えたらこれは俺がおかしいな……?
 ていうかみんな近所に住んでるのかよ! アジア人の人はアジアに住んでてよ! リアルの友人関係って素晴らしいよね、っていうところに持って行きたいのはわかるけどあっさり集結させないで!

 最後に、この物語の結果「オアシス」がどう変わったのかにまったく触れられなかったのも残念。ここに触れてくれなかったせいで、ラストがリアル重視に寄りすぎた印象がある。クソ企業が滅びた結果クソ広告が激減してちょっと明るくなったロビーとか見てみたかった。……と思ったがクソオーバーレイ広告については完全に俺の脳内でのみ行われていた悪行だった。ちくしょう絶対に許さねえ!!



 内容に関しては以上です。
 さしあたって「親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいくシーンは涙なしには見られなかった」という慣用句を終わりの言葉に代えさせていただきます。



 さて、そろそろ時間だ。
 ストーリー中で問題になっていた通り、VR(仮想現実)は人と社会とのつながりを薄くしてしまう可能性がある。しかし、今俺が端末で操作しているAR(拡張現実)は、逆に人を外に連れ出すことができる。
 俺は映画館を出て、まっすぐに最寄りのポケモンジムに向かった。

EXレイドパス
果たし状

 そこには先週届いた挑戦状の通り、ミュウツーが君臨していた。
 俺のオアシスはここがクライマックスだぜ!

ミュウツーレイド
俺はバンギラスで行く!!

 最強のポケモンといえど、訓練されたEXレイド挑戦者が20人そろえば撃破はたやすいのだ! やはり絆の力は最強だな! 他の奴どこにいるのか知らんけど!

ミュウツーゲット
勝ったぞ―――!!

 ありがとうスピルバーグ、最高の映画体験だったよ!
 
■2018-03-21 : ミラクルライトでおうえんしよう!
 うちの娘氏、ついに待望の「映画館でプリキュアをおうえんする」の実績を解除しました。なんか割引券もらったので。
 つまり娘氏の最初の映画は『映画プリキュアスーパースターズ!』になりました。
 こういうときリンクはいつも公式サイトに貼るんだけど、公式サイトにアクセスすると毎回予告編がババーンって出てウザいのでもう予告Youtubeを直接貼っています。予告編が勝手にドドーンって出るタイプの映画公式サイトってホント誰が得するの?

 てっきり最後のバトルパートの部分だけかと思っていたミラクルクローバーライトのおうえんですが、随所随所で「プリキュアを助けて!」みたいなライト使用指示が入るんですね。幼児を飽きさせないための工夫がだんだん研ぎ澄まされてきている感じがします。
 最初は大画面に敵が出てくるだけで、おかあたやんの腕を使って目を覆っていた娘氏でしたが、そのうち敵が出てきたらあらかじめライトを点灯して画面にかざすようになりました。奇跡を無駄遣いするな。

 そんな感じで娘氏は騒ぎもせず熱心に70分観続けてくれてとてもよかったです。やっと対象年齢に入ったか。
 去年の秋映画はDVDでもいいんじゃなーい?って見送ったけど、暗闇でライトを振る娘氏はとても真剣な目をしていたので、映画館はプライスレスだなあと思いました。というかもうこれ真剣な娘氏を見るっていうアトラクションですらあるな。東映さんありがとうございました。


 ところで劇中で回想シーンに入るときに「ダブリンに家族旅行に行ったとき……」みたいなセリフがあって、えっ……ダブリン……? アイルランド……? 普通のご家庭がなんでそんないきなりマニアックな海外旅行を……ってなりましたが、ひょっとしてキュアエールさんのエールとは「Éire(アイルランド)」のことなのでしょうか。今後ケルト(ヒベルニア)のドルイド僧的な能力が身についたり……? 俄然気になります。
 
■2017-12-21 : 平成ジェネレーションズFINAL
 お仕事をお休みして朝8時から映画館に行って『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL』を観てきたぞ。えっ朝8時? 朝8時とかちょっと映画観るテンションじゃなくね? って思ったけど、よく考えたら朝8時って今まで普通に仮面ライダー観てきた時間帯なので何にも問題はなかった。まだ冬休みに入っていないこともあり映画館はほぼ貸し切りだった。やったぜ。

 ニチアサクラスタでない人向けに説明すると、『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL』は、平成仮面ライダーにおいて毎年のように行われている、新旧ライダーのクロスオーバー映画の最新作である。ただ今回は7年前の『オーズ』をはじめ総勢6作品からオリジナルキャストが出るとのことで特に話題になった。
 俺がニチアサクラスタになったのも、ワイフがプリキュアにハートキャッチされる→なんか前番組で仮面ライダーWがやってる→オーズからリアルタイム視聴開始→ゴーカイジャーが始まり完成、という流れであり、そこから7年ニチアサ民を続けてきた関係上、同じ時代に今出逢えた仲間達が集まるこの映画をスルーするわけにはいかなかった。子どもたちだけでなく、俺が今まさにターゲットにされているのだ。高鳴る心が導くあの場所(映画館)へ駆け抜けていくだけだった。

 そういうことなので、ここから先は映画のすごく細かいネタバレを含む。観る予定のある人はブラウザを閉じ映画館へ行くべきだ。人の話だけで知った気にならないで果敢にタフにチャレンジしてほしい。



 とはいえ、加点方式でこの映画の感想を書いちゃうと、
  • どこまでが特撮でどこからがCGなのか理解が追い付かない殺陣。特にバイクと最後の大槻ケンヂとの肉弾戦。+1000兆点。
  • タケル殿の持ってくる神の恵み。+1000兆点。
  • 限られた尺の中でちゃんと「複数の関智一を召喚し殴る」という勝ちパターンを見せつけてくれるタケル殿。+1000兆点。
  • 例の「前回の仮面ライダーフォーゼは!」の音楽とともに現れ、例のギターサウンドとともに変身ポーズを決める弦ちゃん。+1000兆点。
  • アンクさんの走馬燈を見るえいじ君の思い出の中に、恋愛コンボで超ウザキャラになってしまったときの回転イス頭パチンパチンが差し込まれる。+1000兆点。

 という感じで軽く5000兆点くらいになっちゃうのでもう手の尽くしようがないですね。完全に手遅れです。最高でした。「タカ! トラ! バッタ! 」「……。」「……。」「……変身!!」のとことかもうえいじ君の気持ちが重すぎて手を合わせて拝んでいました。

 強いて言えばビルド本編とリンクするタイミングがシビアすぎて、ちゃんとお話を追ってないと意味がわかんなくない? ってなるシーンとかが懸念点ですかね。これテロとかで本編の放送中止があったらギリギリ成立しなかったんじゃあないだろうか。まあシナリオ上「仮面ライダーになったばかりの万丈が先輩方の正義感にふれる」っていうのがクローズアップされてるんで、クローズだけに! クローズアップ! されてるんで、難しいタイミングながら頑張ったな、という感じ。
 あとはエグゼイド組のキャラが濃すぎるのでこちらも履修してないと置き去り感がありそうなところも懸念点でしょうか。ほんと神(佐野岳じゃないほう)はすごいよな、自分の作り出した萌えキャラが完全に「母」と化してるんだからバブみどころの話じゃねえ。いずれにせよ福士蒼汰のファンがいきなり観るとかはちょっと難しいのではと思いました。逆に言えばエグゼイドから入った人が観る分には問題ないということで、ここから足し算を飛ばして掛け算で駆け上がっていってエニシンゴーして欲しいものです。

 まあそんなことはフォーゼがさらっとコズミックステイツに変身できていたことに比べればどうでもいいですよね。あれは仮面ライダー部との絆が切れると使えないので、あの世界ではユウキは謎の教団の巫女になっておらず、歌星さんも引退してなくて、ちゃんと宇宙飛行士になってるんだなということがわかります。そのことをJKが超早口で説明してくれて本当によかった。あと考察されていたとはいえ、せんとくんが人違いで他人を蹴り殺す仮面ライダーではなかったということが劇中で明言されたのも嬉しかったです。

 それぞれのライダーにエンディングの尺が割かれていて、ここのえいじ君とアンクさんも非常にエモかったりするわけですが、ほかに共演者がいないコータさんだけは一人ダムの上で空を見上げる「フラグを立て忘れたノーマルエンド」みたいな感じになってたのが印象的でした。よく考えてみたら仮面ライダー変身者以外のサブキャラが全然いないな鎧武。

 最後にひとつ苦情を申し立てますが、誰だよ「スーツアクターの高岩さんももう歳だから100体分身はキツい」みたいな情報を流した奴は。そうなのかーと思って観てたらガタキリバで50体くらいは分身してるじゃねーか。とんでもないデマを流すんじゃあない。さすがミスター仮面ライダーは違うな。



 ……というような感じで、とても尊いものを観せて頂きました。これで心置きなく平成が終わるのを迎えられます。えっあと1年あるけどどうすんの!?
 
■2017-09-16 : この世界の片隅に
 金曜の夜、娘氏がワイフを巻き添えに早めにねんねしてくれたので、いまさら『この世界の片隅に』を観ていた。それもなぜか発売されたばかりのDVDでなくAmazonビデオで。

 この作品はとにかく原作者も映画スタッフも異様に緻密な取材をしていることで有名で、それは公開当時まったく観るつもりのなかった俺のところまでTwitterなどで評判が回ってくるほどだった。たとえば以下のような話である。

たとえば戦艦大和が入港する場面がありますが、原作に「19年4月」と書いてあって、そこから入港した日が特定できて「あぁ、できるんだ!」と思ったんですよ。別のシーンで、晴美ちゃんが「あれが利根」とすずさんに教えるところがありますが、その時に利根が呉にいたかというと、いないんです。つまり、晴美ちゃんは利根ではない別の軍艦を見て利根だと誤解しているんだと分かったので、「間違えるということは、利根に近い形をしている最上がいたのかな」という風になっていくわけです。

Gigazine 2016年11月11日 映画「この世界の片隅に」片渕須直監督インタビュー
 これは当時見かけた情報のほんの一部分で、本当に一事が万事この調子で取材&裏打ちをしているようだ。こうなると画面に描かれる些細なものにまで執念が感じられてきて、情報量が多過ぎてすぐ心のキャパを超えた。

 なにしろずっとひたすら「ウウッこれはTwitterでスゴイ取材のもと描かれていたと評判だったシーンなような気がする! すみずみまで見なければ! ウウッまさかこれもか!」という気持ちで映画を観続けるのはほんとうにつらい。そして、当時劇場勢があれだけ活発に発信していた考察や感想は、今となってはほとんどがTwitterの奥底に沈殿してしまい、読み直したいと思っても叶わない。やはり話題作の映画は話題のときに観なければいけないのだ。俺は深い後悔につつまれた。
 最終的には感情移入を諦めて「なんか戦時の様子を垣間見ることができる窓」として流し見することで事なきを得た。とりあえず「空襲もうあきた」みたいな台詞がじつにタイムリーでよかった。そうだよな。人はこういうユルいテンションのときにミサイル食らって死ぬことだってあるんだよな。そんなことを考えた。
 
■2017-03-19 : 知らない俺の物語
 幸運にも映画館へ行く時間が取れたので、『モアナ』か『ひるね姫』を観よっかな~~と出かけて、上映時間が合った『ひるね姫』のほうを観てきた。
 なにしろ去年は邦画の話題作が何本も出たのに全部ことごとく旬を逃してひとつも観れてないありさまで、映画館へ行くだけでも貴重な時間なのだ。


 映画「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」オフィシャルサイト

 この徹頭徹尾キャラクターにハイライトもシャドウも入れない塗り、最近の流行りなのかなあと思ったけど、『君の名は。』も『バケモノの子』も最低限の陰影はついているようなので気のせいだった。作画は楽そうだけど、光の表現とか立体感とか要求されると大変そう。
 そして音楽が下村陽子先生であらせられる。「下村陽子がアレンジしたデイ・ドリーム・ビリーバーが主題歌なので観ろ」で通じる人にはこれ以上の言葉は要らないがいるのかそんな奴。でも「下村陽子がアレンジしたFF4バトル2が聴けるからマリオRPGやれ」っていったらやる奴いない? いないか?

 公開されたばかりの映画なのでストーリーのネタバレは避けよう。お話の感じはまあ公式の「ストーリー」を見てもらうとして、ここから先はそれより多少つっこんだ話になるので、観る予定のある人で情報をシャットアウトしておきたいタイプの人は一旦帰ってほしい。そして必ずここに帰ってきてほしい。


 主人公はなぜか続き物の夢を見る。その夢の世界は、子どもの頃にねんねする前に父親が語ってくれたおとぎ話と同じだ。ヤバイな、俺も娘に語る物語はもうちょっとまともなものを創作する必要があるか。
 冒頭からこのおとぎ話が始まるが、「王国」が「父の勤めた大工場」であり、「魔法」が「AI」であることはすぐに読み取れる。それがわかるころ、おとぎ話の比喩表現が、現実世界でいま起きている状況とリンクしはじめる。

 このへん『テラビシアにかける橋』をちょっと思い出した。あれも現実世界の状況がシビアになると空想世界もテラシビアになる演出があった。ただこちらの場合、夢の世界の描写は「現実世界に実際に起きたことの比喩」にとどまらず、夢の世界の比喩表現を使っていま現実に起きていることを説明し始めるので多少複雑になる。

 たとえばファンタジー世界であるキャラクターが焼死するシーンを出すことで、そのキャラクターが現実世界で解雇(Fire)されたことをド派手に示したりしてくる。わかる人だけにわかりやすく言うと「コパール城は鉄のとりでよ! ふつうに攻めるんじゃダメッ!!」「そうだ!」「そうだ!」っていうのをクライマックス全編でやってる状態。だからクライマックスで何が起きたか、具体的なことは想像するほかない。


 しかしこの比喩表現、「王国=企業」「魔法=AI」として、その王国に攻めてくるカイジュウじみた「オニ」は何を示しているんだろう。「王国の兵器では太刀打ちができず、魔法でしか倒せない存在」という設定が明言されている以上、単にお父さんが『パシフィック・リム』のファンだった、というわけではなさそうだ。

 おそらく「オニ」が示していたのは「車検証」ではないだろうか……俺は今日、車検当日になって車検証を紛失していることがわかり、むなしくも車検を始めることができなかった……あんなもんどうやったらダッシュボードの中から消えるんだよ……二年前に車検を通した工場で、車検の期限を示すステッカーも正しい期限を指しているというのに、あの紙ッペラ1枚ないだけでなぜ車検を始めることができないのか。再発行はお役所の開いている平日でないとできない。なぜなのか。俺にはすでに国から個体番号を示すナンバーが振られているのではないのか。それなのに認め印と書類を携えて首長の居城へ赴かなければ、二年前に車検を通したことすら調べられないのか。いったい何のための番号だ。このようなくだらないペーパーのやりとりで現場の人間の作業量をスポイルし続けているから、我が国は後進国へ転落しようとしているのではないのか。それが「オニ」というカイジュウになって、海外から日本企業を殴りに来ているのではないのか。それを破壊する英知の光こそがAIなのではないのか。無敵のマイナンバー制度とAI市役所があれば自動車工場も俺も無駄足を踏まなくて済んだのだ。こんな馬鹿な話があるか……むしろこんな紙ッペラを証明書に使ってる中世レベルの土人国家ニッポンこそがファンタジーのおとぎ話で、実際の俺は無敵のマイナンバー制度による快適で幸福なマザーコンピューターの支配を受けているのではないのか……? そうに決まっている……車検期限までにモーフィアスが赤い薬を持ってきてくれるんだぁ……ウフフフ……。
 
■2016-08-09 : 映画感想文2点
 噂に名高い鮫クソ映画『シャークトパスVS狼鯨』を観てしまった。

 シャークトパスはサメとタコの合成獣!タコの触手を利用して陸上移動も可能!つまりこれまでのサメ映画の弱点である「地上にいれば安全」をクリアーする画期的モンスターなのだ!あたまがおかしい!
 対するホエールウルフは狼とシャチの合成獣!地上最強と水中最強でつまり最強!ウオオーッ!あたまがおかしい!!

 CGのレベルが普段観ている仮面ライダーのちょい下くらいなので実家のような安心感がある。特に動くと雑さに拍車がかかりゴアなシーンも安心。ホエールウルフは意外と目が可愛い。シーンと角度によってはディズニーピクサーかな?っていう感じの可愛さ(誇張表現)。
 お話も最後のほうガッバガバで笑った。ブードゥー教とカンフーを過信しすぎだろ。出演するおっぱい担当者の人数を絞れば一時間に収まったんじゃあねえのか。おっぱいの総量を増やすために犠牲者を無駄に水増しした感がある。おっぱいは量より質だぞ!


 とんでもない鮫クソ映画を観てしまったので、ちゃんとした映画も観て心と体のバランスをとらなければ、と思って翌日は『チャッピー』を観た。そういえばソニピクの不祥事で炎上した作品だったな。カットシーンは大して気にならなかった。
 むしろ前日にニチアサレベルのCGを観続けていたせいで「チャッピーの動きすげえ!めちゃくちゃ細いスーツアクターさんが入ってるんやろな!!」という感想しか出てこないことのほうが問題だった。
 内容的にはドロイドがマッポになってるしカラテはするしスリケンは投げるし、悪役のロボは完全に火力が過剰で理念がほぼオムラ・インダストリだしで最高だった。オームラ!オムラオームラ!
 
■2015-07-20 : 永遠のゼログラビティ
 金曜ロードショーで『永遠の0』をやるらしいので触発されて『ゼロ・グラビティ』を観た。
 原題が『Gravity』なだけあって確かに無重力の表現がハンパじゃない。どう見ても宇宙ステーションで撮ってる。宇宙すごい。あと静か。めちゃくちゃ静か。映画館で観ていたらどのタイミングでポップコーンを食うべきかさんざん逡巡したであろう。
 
 主人公と一緒に遭難するコワルスキー先輩がマジで有能で、非常事態にもまったくパニックになることなく、ソーシャルゲームのチュートリアルを進めるがごとくスイスイと生還までのロードストンを提案してくるのでもうチートレベルの有能さだと思った。途中、主人公が幻覚をみるシーンがあるんだけど、これが幻覚でなかったら最高のクソ映画になったと思うのである意味惜しい映画だった。

 感想としては「マジかよロシア最悪だな」をずっとつぶやいていました。当たり障りがあると思うのでこちらからは以上です。
 
■2015-07-06 : 怒りのデス・ロード
 娘を託児所デビューさせた。
 人見知り対策に、徐々に知らない場所に慣れさせようという魂胆である。ひとまず3時間だけ一時保育室に預けてみることにして、空いた時間に映画を観てきた。

 観てきたのは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
 娘を一時保育室に預けて夫婦で観る映画かと言われると首をかしげざるを得ない。
 でもほら、実家に預けて「何観にいくの?」って言われて「ベイマックス」なら何も追求されないだろうけど「マッドマックス」だと「うわぁ……」って思われるかもしれないじゃん?だから貴重なチャンスなんだよ!
 観終わったあとワイフが「マックスは言うほどマッドじゃなかったですね」と言ったがそうだよね。周りがみんな狂人だもんね。狂人じゃない登場人物を捜すほうが大変なくらい狂人だもんね。


 とても充実した世紀末ライフを堪能し、一時保育室に引き返した我々を待ち構えていたのは、怒りのデスロード状態で泣き散らす娘の姿であった。
 すまぬ……娘……すまぬ……保育室のひと……。
 
■2015-03-01 : 実写映画『北斗の拳』
 どうしたことか実写映画『北斗の拳 ~FIST OF THE NORTH STAR~』を観る機会に恵まれた。
 どんなスゴイものなのかは次のサイトの解説をご覧頂きたい。

 実写版映画「北斗の拳」 : a Black Leaf

 予算の都合か特撮の限界か、北斗神拳も南斗聖拳も数回しか出てこない。
 特にケンシロウVSシンの決戦では途中からただのカンフーアクションと化すので、「北斗神拳を使うまでもなかったぜ……」的な不可解な余韻を残す。

 ただ幸運なことに吹き替えで観ることができたので、何もかもアメリカンバイオレンスアクションな映画の中で、神谷明の声だけが俺を『北斗の拳』の世界につなぎ止めてくれた。
 いっそつなぎ止めてくれなければ、マッドマックスみたいなものとして観られたのかもしれない……声の力を思い知った形だ。
 
■2015-01-02 : 私はベイマックス
 新年早々、娘をワイフの実家に預けて『ベイマックス』を観てきたぞ。
 やたらハートフルな予告編を見て「また予告詐欺か」と渋い顔をしていたが、ハートフルストーリーを期待して観に来た層をロボットもののアツさに巻き込むだけの自信があったのだな。王道でわかりやすく熱い展開を真っ正面から繰り広げていて良かった。

 細かいところだけど、初めてベイマックスが登場したときの振る舞いがよかった。
 呼ばれてこちらに歩いてくる途中、進行ルート上にあったイスを横にどかしてからやってくる。これが2回目の登場の時になると、棚に当たって本を落としてしまうが、それは構わずにこちらへやってくる。優先順位をきちんとつけているなと思った。人工知能にとってはこういうファジーな状況判断は極めて難しいものだと聞いたことがある。プログラミングした兄タダシのワザマエが表現されている。

 ところでタダシは何を思って介護ロボットに「Baymax」なんてカッコイイ名前をつけちゃったんだろう。明らかに武装前提の語感だ。原作改変の歪みが感じられるな。



 以降は多少内容に踏み込むので、観る予定があってファーストインプレッションを大切にする人は読み飛ばすこと。

 ロボットものの醍醐味というか、ロボットをメインに据えるのであれば、そのロボットが自己犠牲的行動を取る展開がいちばんアツいと思っている。もちろんその期待にはちゃんと応えてくれた。
 しかし大人になってしまった私は「データのバックアップなんて当然あるだろうし、すぐ同じ機体が作れるだろ……」と要らんことを考えてしまうのだ。これではせっかくの自己犠牲展開が台無しだ。早急に何か反論を考えなければならない。
 一番手っ取り早いのは「兄タダシしか作れないオーバーテクノロジーである」だが、主人公は兄よりテンサイであるので説得力がない。次にジョジョ6部の「それはきっと別のフー・ファイターズ……あたしじゃあないと思う」的展開だがこれだと復活ができないので大団円にならない。

 やはり「バックアップが無かった」と考えるのが一番自然かもしれない……劇中ではベイマックスが戦い始めてからほとんど時間がたっておらず、兄の作ったシステムを解析して全てバックアップするだけの時間がなかった……と考えればなんとか理由がつけられるような……いや、ダメだ。兄タダシも有能なエンジニアだ、彼自身が亡くなる前にPC内にバックアップを用意しておかないわけがない。

 まさか!兄タダシは!自分に不慮の事故が起こったとき、ベイマックスに自分のHDDをフォーマットさせていたのでは!?天才エンジニアといえ若い男子、死んでもHDDの中身だけは見られるわけにはいかないはず……!
 
 「私はベイマックス。タダシの尊厳を守ります」

 すごいなベイマックス!ありがとうベイマックス!!
 
■2014-12-01 : いまさらアナ雪
 なんか今年中に観ておかないといけないような脅迫感にかられて、『アナと雪の女王』を観た。

 やっぱどう考えても「ありのままの」はおかしいな。調べてみるとさんざん言われているのでいまさら言うことじゃあないけど、あの日本語訳は完全に大団円用だろうと思う。
 エルサがあれを歌うシーンは、変なたとえかたをすれば「会社の忘年会を無断でサボって冬コミの原稿をやっていたらなんかすげえ筆がノッてきたOL同人作家」みたいな状態なわけで、今後の孤立が確定した状況とあの前向きな歌詞はマッチしていない。ただエルサの表情は非常に活き活きとしているので、ひょっとしたらそういう同人作家みたいな心境を理解できる人が訳したのかもしれないな。



 ところでこの作品、原題が「Frozen」だ。
 あちらのセンスはよくわからないけど、このタイトルはいろいろな問題を引き起こさなかったのだろうか?

 アナ雪はたくさんの関連グッズがある。それは食品業界にも及ぶ。
 日本では「アナと雪の女王」と書いてあるからいいが、あちらではクッキーでも何でも「Frozen」と書かれていることになる。

 たとえばもし次の仮面ライダーが「仮面ライダー冷凍」だったら大変なことになることがおわかり頂けるだろうか。
 「仮面ライダー冷凍グミ」「仮面ライダー冷凍チョコモナカ」「仮面ライダー冷凍あらびきウィンナー」などがスーパーマーケットに入荷されることになるのだ。
 詳しくない店員が冷凍棚に陳列してしまう事態が続発するに違いない。

 アメリカでは公教育をしっかり受けていない移民の店員もいるかもしれない。スーパーの敷地も広大で、扱う商品もとんでもなく多い。しかも訴訟社会だ。Frozen関連の食品で「冷蔵のはずのウィンナーが冷凍されていた」とかそういう告訴が連発されなかったのだろうか。
 ある意味それも作品のイメージと合っていたのかもしれないが、不安は尽きない。