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◆不定期日記ログ◆

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■2019-05-21 : 星座のイマジネーション!
 プリキュアさんが宇宙プリキュアになった関係で、娘氏の星座意識が非常に高まっている。自分が牡牛座であることはきっちり覚えているし、お友達や幼稚園の先生にも生まれ星座のことを尋ねているようだ。
 
娘氏「ようちえんのおともだち、むらさき座って言ってた。むらさき座なんてないよねえ?」
ぼく「宇宙も未来も限りないからアイチャンがロケットで探しに行けばいいんやで」
娘氏「でも宇宙服買わないとだめだよねえ?」
ぼく「問題はそこなんだ?」

 興味のやじるし向けて進んでみたら前見てどこまででも探して遊んじゃうのが幼児の特性なので、我々ご両親はこの機を逃さず、娘氏の知識を広げるべく行動を開始した。


 さしあたって幼児でもわかりやすい図鑑を買った。うちにはすでに小学館の図鑑がいくつかあるので、そのシリーズの「星と星座」を選んだ。
 星座の図鑑は神話の話題と見つけ方の話題がバランスよく含まれているのがよい。神話の話だけだとゼウスのダメ男エピソードを延々と確認していく作業になるし、見つけ方だけだと幼児には味気なさすぎる。
 仮面ライダーゴーストのときも思ったけど、出版社各位はニチアサのテーマに素早く反応して、幼稚園児向けの安価な図鑑を編纂して欲しい。その点ハッピーセットの小図鑑はタイミングよく宇宙の図鑑だった(星座でなく惑星だったのでちょっとズレていたが)。

 あと、図鑑を買う前に近隣のプラネタリウムに連れて行った。「今ならまだ春の星座のことやってるし、きっとアイチャンの牡牛座も見られるかも」って期待させて行った。
 だが俺は知らなかった。4月末に生まれた子は牡牛座になるが、実際の牡牛座は冬の星座なのだ。あとで図鑑で調べてみると、これは地球の自転軸の傾く向きが少しずつ変わるせいで星座の位置がずれたためで、俺は古代ギリシャ時代から知識をアップデートしていなかったことになる。知識はすぐに古くなるのでアップデートをさぼってはいけない。
 そういうわけでプラネタリウムで見られたのは娘氏の牡牛座ではなく、パパチャンの乙女座であった。「牡牛座がみえなくてざんねんだった」という娘氏に俺は素早く「でもパパチャンの乙女座は見れました~~」とマウントをとった。


 そう……これがアラフォー男性特有の性質ッ!「星座カースト制度」だッ!! 説明は省くが、アラフォーのおっさんはみんな明日の勇者 oh yeah でありペガサスのように今こそはばたくのである。いかに自分の星座が他より優遇されているか、それを確認せずにはいられない、そういう少年時代を過ごしてきたのである。
 そうは言っても古くから乙女座は星座カーストではかなり上位に位置していた。本来牡牛座ごときにわざわざマウントをとる必要はない。しかし状況が変わった。

 『スター☆トゥインクルプリキュア』において牡牛座のスタープリンセスはまっさきに開放され、十二宮のプリンセスのリーダーのような扱いを受けた。牡牛座の力は主人公の最初の強化必殺技にもなり、他3人のメンバーの必殺技を強化する獅子座・天秤座・山羊座を合わせた4つはすでに物語上十分な存在感をもって扱われている。
 それでも俺は「フッ……所詮は最初の必殺技、2巡目の4つと3巡目の4つはさらに重要な役割となる……プリンセスの中で乙女座が強キャラでないわけがないのだ……」と余裕の姿勢を崩さずにいたが、なんと2巡目に手に入れた蠍座の力が完全に天秤座と全く同じ技強化効果だったという事実にブチあたり、「これはひょっとして後に出るほど出番がなくなる奴なのでは……そもそも全員乙女なのにわざわざ乙女座を強調する理由がない……!」と焦り出したところだったのである。

 それは当然のことなのかもしれない。これは80年代の少年漫画ではなく令和の時代の女児アニメなのだ。どの星座の力を使っても、エフェクトの細部が違うだけでまったく同じ技が出る。星座の間に上下を作らない。そういう感覚のほうが当たり前なのだろう。プリキュアは優しい物語である。見た目や星座で人を区別したりはしない。娘氏にはそういう時代を生きてもらいたい。


 ……とでも言うと思ったかッ!!!
必殺技発動回数
必殺技発動回数(16話現在)
 おのれ~~獅子座め~~!!
 キュウレンジャーでの主役に飽き足らずプリキュアでもか~~!!
 
■2019-01-27 : 輝く未来を抱きしめて!
 ニチアサクラスタにさまざまな話題をバラまいていった『HUGっと!プリキュア』が最終回を迎えた。


 実のところ、年末のトピックスだった「史上初の男の子プリキュア誕生」に関しては内心ガッカリしていた。
 何が不満だったかというととにかく「ミライクリスタル(変身アイテム)が出なかった」の一言に尽きる。

 ぶっちゃけあのシーンはアンリ君が戦闘したわけでもないし、プリキュアの奇跡で一時的に足が治り衣装が装着されたというだけなのだ。それをプリキュアネームを自称しただけで「初の男の子プリキュア」とニュースになってしまったのが非常に心苦しい。

 だいたい1年前に「オレだってプリキュアになりたかったんだ!」的な魂の叫びを残し、実際にプリキュアと同じ力をまとって戦ったリオ君という前例があるのだ。しかし「史上初」とは言われなかった。プリキュアネームを名乗らなかったからである。
 歴史においてはセルフブランディングに優れたものが栄光を手にする。鈴木梅太郎はビタミンの発見者にはなれなかったし、イライシャ・グレイは電話の発明者になれなかった。なんて世知辛い話なんだ。

 前例があったことを踏まえると、アンリ君は初登場時からジェンダーロールに関して布石を打ち続け、最後には唐突にトラックが突っ込んでくるというご都合主義までやったわけで、それが「自称プリキュア」で終わるなんて情けないにもほどがある。

 もっと行けただろ! 出せよ! ミライクリスタルを! そして商品化しろ! 戦隊は女性戦士の変身アイテムもお店に並んでるじゃあないか。それをしないってことは、バンダイさんは市場には男の子プリキュアの変身アイテムの需要は無いって判断したんだろ? それじゃあ本当に男の子プリキュアが誕生したなんて言えないんですよ。
 史上初を自称するなら、実際に商品化するのは難しくとも、せめて作中に変身アイテムを出して欲しかった。今後そういう意欲的な試みがあってももう「史上初」と言われることはない。そんな未来……そんな未来なんて……俺は深い悲しみに包まれた。


 だがHUGプリはこれでは終わらなかった。
 最終決戦で「英雄が一人で戦い続けてもいずれ疲弊し死ぬ」という敵の指摘に対し「仲間がいる」と返すのはわりとありふれているが、仲間だけでなく「赤ちゃんはみんなで育てるの!」という今作らしい理屈をぶつけた結果、「子どもは社会全体で育てる→未来はみんなで守る→人類総プリキュア化」というとんでもないドミノ倒しが起きてしまった。

 いままで登場した老若男女が次々とプリキュア化していく様はまさに圧巻であり、これに至って俺は「男の子プリキュア」すらただの前フリに過ぎなかったことを理解した。「みんなはプリキュア。お父さんもプリキュアです。」のコピペから15年たって公式が答えを示したのだ。
 ぶっちゃけアンリ君に対して「プリキュアを自称した以上、最終決戦に参加しないとキュアペコリン以下だぞ」と厳しい目を向けていたが、アンリ君どころか全市民がプリキュア化して必殺技に参加するのを見せられては潔く間違いを認めドゲザするしかなかった。

 ラスボスがどれだけ未来に絶望したおっさんだったとしても、自分もプリキュアになれると知ったらそりゃ輝くよ。完全に俺の負……エッ!? それじゃ俺もプリキュアなんですか!? えっえっ待ってどうしよう、じゃあプリキュアネームを考えておかないと……セルフブランディングが……!

娘氏「アイチャンはキュアジェリーナ」
ぼく「今ちょっと考え事してるから待って」

 しまったな、こうなると何億分の1かの確率でオールスター映画出演オファーすらありえるということか……真面目に考えないと……。
 まてよ、プリキュアはたいていチームを組んでいるぞ。チームも割り振られるハズだ……しかしどうやって? 最大7名くらいのチームというと……戸籍……? ウウッ! 戸籍でチーム分けされる可能性がある! となるとチーム名を決める責任があるのは世帯主である俺……か!? こいつは忙しくなってきたな!!


 次のプリキュアさんは宇宙人らしい。そうだな、もう地球人は全員プリキュアになっちゃったからな。グローバルからユニバーサルへの移行は当然の流れだな。
 
■2018-08-26 : 37歳になるということ
 37歳になる、ということについて調べてみた。
 36歳のときに「36歳のキャラクター」についていろいろ調べたけれど、36でもいろいろギリギリだったので、37歳で知名度の高いキャラクターはなかなかいないのではないか。



 とか思っていたらタイミングよく今年金田一少年が37歳になっていた。あそこまで警察との濃いパイプを持ちながらぜんぜん警察と関係ない旅行会社で働いているので、たぶん何かあったんだと思う。全盛期の能力を持ったまま旅行会社なんかに勤めたら、旅先で何人死ぬかわかったもんじゃないからな。

 あと『TIGER & BUNNY』のなんにでもマヨネーズをかける方こと鏑木・T・虎徹がアニメ終了時に37歳のようだ。公式プロフィールがないためファンの考察になるが説得力はある。突然25歳くらいの美容室に一ヶ月に二度行くような男とコンビを組まされることに関する抵抗感も手に取るようにわかる。どのようにしてスーパールーキーと信頼関係を築いていくか、そういった能力が我々の世代には求められている。

 『ONE PIECE』の赤髪のシャンクスが37歳というのはたぶんルフィさんが冒険に出たときのことなんだと思うけど、今や最近のワンピはぜんぜん追っていないのでシャンクスが今どうなっているのかわからない。というか俺はエースが死んでからのこと「最近のワンピ」でひとくくりにしてるけど、エース死んでからもう8年経っていることを自覚すべき。

 ゲームでは『F-ZERO GX』時点でのキャプテン・ファルコンが37歳だった。GBAで出たF-ZEROが2004年なので、もう14年も彼はレースしていないことになる。今や彼はファルコン・パンチで大乱闘する人であり、昼食の写真をSNSにアップし続ける謎の人物なのだ(昼食をアップしてるのは本当に何者なんだよ……)。

 最後に、魔人ブウ編での孫悟空が37歳という説がある。この人については死んでるので年齢のカウントに諸説あるが、とにかく死んでるのでずるい。悟空がベジータと初めて戦ったのが24歳くらいなので、13年も前にやっつけた相手が勝負しろ勝負しろってウザ絡みしてくる図はちょっとつらいものがある。



 意外と主役級の人物がまだ残っている。ただ悟空さんもブチ当たったように「若手をいかに伸ばすか」という問題にとりくむキャラが目立つように思う。我々はもうそういう時期に来ているのだということを思い知らされる。それゆえキャプテン・ファルコンのように大胆なキャリアチェンジを成し遂げた人の存在は眩しい。スマブラSPでの活躍に期待したい。
 
■2018-05-31 : ルールーさんと知恵のプリキュア
 AIがプリキュアになる時代に、我々人類は何をすればいいのだろう。


 娘氏もだいすきな『HUGっとプリキュア』の追加メンバーとして、ルールーさんのプリキュア昇格がほぼ確実となった。
 観てない人のために説明すると、ルールーさんは未来から来た敵組織のアンドロイドである。外国人少女のふりをしてスパイ活動を行っていたが、プリキュアシリーズにおいて主人公と年齢の近い敵陣営の女の子キャラは必ず改心し、あわよくばプリキュア化するのが定例である。ダークプリキュアさんの話はおいといてくれ。

 今回特筆すべきはルールーさんが機械人形だということである。人間社会に問題なくとけこんでいることから、おそらく真の意味でのAI、人工知能を持っていると考えられる。そしてそれとは別に、一瞬で本の内容をスキャンし暗記する、コンピューターとしての能力も持っている。

 そこで気になるのが、すでに「知恵のプリキュア」を掲げているキュアアンジュさんの立ち位置だ。いまだに頭脳明晰キャラといえば、暗記力や計算が早いといったコンピューター的な描写がされることがあるが、キュアアンジュさんは「わからないことを的確に調べる」ことをもって「知恵」とするという、今の時代に即したキャラ作りがされている。そこにコンピューターの少女がやってきた。

 完全に推測になるが、隣にコンピューターそのものが並び立つことによって、「知恵のプリキュア」としてのキャラクターは完成するのだろう。知識量を誇る時代はとっくに終わった。我々が大学入試などで測ってきた知性は大部分が無駄になり、まもなくAIが今ある仕事の半数を人間から奪う。そんな未来に我々は何をすればいいのか、AIが真似できない知性とは何なのか。それを提示するためにキュアアンジュさんというキャラクターが配置されたのだ。

 くしくも今年のサブテーマは「職業」だ。AIに置き換えられない職業とは、AIにない能力とは……そういったものを子どもたちに伝えようという試みが始まったのだ。プログラミング教育を含む新しい学習指導要領よりも先に、プリキュアがそれをやろうというのだ。
 エールさんが感情の機微を読み取る力を、エトワールさんが汎用的な身体能力を、マシェリさんは未加入なのでわからないけど音楽とか芸術……?を、それぞれ提示していくに違いない。そんな中、教育者を含めていまだに具体が見えてない人の多い「人間の知性」をアンジュさんがどう提示してくれるか、期待をもって注目したい。



 ……だから「その時不思議なことが起こった」→「人間になってる! やったねルールー!」みたいな展開は絶対勘弁してくれよな!! 頼んだぞ!!
 
■2017-10-02 : 東映商標大予想
 プリキュアクラスタには、ED曲の歌詞の一部が次のプリキュア名になるというジンクスがある。
  • スイートプリキュア後期ED「前向いて(Smile! スイートプリキュア♪)」
    →翌年『スマイルプリキュア!』
  • スマイルプリキュア前期ED「いつだってワクワク ドッキドキ プリキュア!」
    →翌年『ドキドキ!プリキュア』
  • ハピネスチャージプリキュア後期ED「フォーチュンな お月様(みんな プリンセス)」
    →翌年『Go!プリンセスプリキュア』
  • 魔法つかいプリキュア後期ED「アラアラ アラ・モード」
    →翌年『キラキラ☆プリキュアアラモード』

「……とすると来年は?」
「バリバリ★プリキュア」
「ヤンキーか」
「エンジェル……エンジェル伝説プリキュア」
「ヤンキーから離れろ」
 
■2017-06-10 : ジブリと娘氏
 アンパンマンの時代は軽やかに過ぎゆき、娘氏はジブリにドハマリしている。
 いまのところ大好きなのはトトロと魔女の宅急便。


 トトロについては以前書いた通り。すぐ「しまじろうがいい」とギブアップする点については、じつは暗いシーンや大トトロが怖かったのではなく、メイが一人で森の中に入っていくシーンが不安を感じさせるのではないかという気づきを得た。ところでメイさんは、ご存命なら60代くらいのはずだけどすごい名前ですね。

 魔女の宅急便はとにかくジジが大好きでハマり始めたようだ。あのようなシニカルな受け答えをする幼児にはなって欲しくない。男の子だったらトンボさんからこの草食時代における積極的恋愛術を学んでもらうところだ。
 クライマックスで、町の人といっしょに手に汗にぎってキキに「がーんばれ!がーんばれ!」と応援し、「キキにたすけてもらったんだよ~~!」と嬉しそうに報告してくるので素直なのは良いことだなあと思った。パパは最後のジジが喋らなかった理由とかをごちゃごちゃ考えるので純粋さが足りない。

 後日お買い物に行ったとき、紺色のシャツを着ていた娘氏は、赤いリボンつきのカチューシャを試着して「これでまじょのたっきゅうびんになったかもしれない」と言っていた。さすがにカチューシャは幼稚園につけていけないから駄目です。
 
■2016-12-20 : 逃げ恥:世界トーナメント編
「読んでないけど『逃げ恥』の原作はいいタイミングで畳んだみたいだよね」

「ドラマ完走して全巻買おうって人にはうってつけかも」

「ダラダラ続いて『世界契約結婚トーナメント編から先はクソ』とか言われても嫌だしね」

「世界トーナメント……」

「事実婚の世界最先端!フランスからピエール夫妻の登場だッ!!とか」

「前回チャンピオンだ」

「ピエール夫妻を一撃で……あのブラジル人夫婦何者だ!?とか」

「ライバルポジの人だ」

「そして一夫多妻制で14人の契約結婚相手を伴うアブドーラ氏が登場」

「ラスボスが石油王……」

「何もかも少年漫画の文脈で考えるくせをやめたい」

「そこまでいくと逆に読みたい」
 
■2016-09-27 : 国木田花丸という女
 アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』を観終わった。

 まったくアニメを観なかった10年前の自分に「お前は10年後にラブライブっていうアイドルアニメを毎週観てるぞ」って言ったら「は?」って顔されると思うし、「加えて心のバランスを取るためにうたプリっていう男性アイドルアニメの視聴も進めている」って言ったら狂ったと思われるかもしれない。

 沼津が舞台というのも視聴理由の1つだが、実際に視聴を決めたのは一人称が「おら」、語尾が「ずら」のキャラがいる、という話を聞いたからだ。静岡弁というには安直で不正確だが、方言キャラというのはリアルを求めても仕方ない。それが魅力的に描けるかどうかのほうが第一だ。殿馬やジェロニモによって使い古された「おら~ずら」をちゃんと持て余さずに使いこなせるのか。はぁオラも静岡弁キャラ作ったこたぁあるけぇが、ええかんいのかしにくいんてお察しだら。そんな気持ちで視聴していた。

 そして1クール観終わった。予想通り「おら~ずら」以外の静岡弁が出てくることはなかったが、正直「ずら」をこれだけ可愛くできるのかと感服した。静岡弁キャラの新たな可能性を感じさせるに十分だった。それだけに「しょんない」とか「まめったい」とか、もっとカワイイな語感の静岡弁をどこかに挟み込んでいてくれたら……と思わずにはいられなかった。
 あと「方言を気にしているキャラ」なのかどうかがイマイチわからなかったのもある。実際あまりとんじゃかない感じだったんて気にしてないのかもしれないけれど、たとえば階段ダッシュで疲れ果てたとき「ハァ~えらかったっけやァ~~~」と最強の静岡弁が飛び出してしまい我に返り「しまった」って顔!みたいな流れがあったらハァ昔っからとびっくら苦手だんてしょんないしょんない!ってなるでしょ?なるよね?


 彼女たちの物語はまだ始まったばかりだ(たぶん)……今後の展開に期待したい。畑亜貴先生におかれましてはぜひ静岡弁をふんだんに取り入れたソロ曲をお願いします。
 
■2016-07-08 : アンパンマンの平等性
 アンパンマン主題歌の中に、有名な「愛と勇気だけがともだちさ」というフレーズがある。

そうだ おそれないで みんなのために
愛と 勇気だけが ともだちさ
ああ アンパンマン やさしい 君は
いけ! みんなの夢 まもるため

「アンパンマンのマーチ」
 この「愛と勇気だけがともだち」というのは、昔から「カレーパンマンとかカバオくんとかは友達じゃないのかよ」というツッコミを生んできた。
 だが実際にアンパンマンを視聴し続けていると、わりと本気であれらは友達じゃなくて、ただの「職務(治安維持)上かかわりのある人々」としか認識してないんじゃ……と思えてきたので考えたことを記録しておく。


 アンパンマンは平等だ。害をなす存在でなければ誰にでも優しく共感を示す。誰かのときだけ特別に大喜びしたり、大声で笑ったりしない。同じように、誰かのときだけ特別深く悲しんだり、怒ったりもしない。

 話は飛ぶが、「食べものの好き嫌いをしてはいけない」という価値観がある。自分は農家の生まれなので当然この価値観を受け入れて生きてきた。
 しかし、本当に厳密に食べものに対する「好き/嫌い」という感情を排除した場合、そこに生まれるのは「食べものに一切執着しない」という無味乾燥な姿勢である。単なる栄養補給のみを目的とした、激しい喜びも深い絶望もない「植物の心」のような食事。健康そうではあるが、あまり魅力的な人生には見えない。

 アンパンマンは本当に厳密に平等なヒーローであるがために、「友達」という概念を失ってしまったのではないか。全員が平等に「友達」であるために、その中から親友や家族や恋人といったものをつくることはできないとするならば、それらは「友達」と言えるのだろうか?
 彼にとってはきっと、創造主であろうが、カバオであろうが、通りすがりの知らない奴であろうが、「困っている人を助ける」という職務上、平等に扱うべき対象なのだ。たぶん彼は、ジャムおじさんの命が危険に晒されても、カバオくんがカツアゲされてるときと同じテンションで「止めるんだーばいきんまん!」と言うのだろう。そんな気がする。


 「愛と勇気だけがともだち」というのは大げさでもなんでもなく、職務に必要な愛と勇気だけを「友達」と定義して、ほかは創造主も支援者も遭難者も全てビジネスのかかわりに留める、という究極の平等性を歌っていたのだ。なんたる孤独なヒーロー像であろうか(明後日の方向を見つめながら)。
 
■2016-06-21 : アンパンマンが描く社会問題の構図
 アンパンマン世界の治安について考えてみた。


 なぜかアンパンマン世界では、基本的にばいきんまんさん以外の犯罪者が出てこない。まれに氷の女王とかが出張ってくることはあるが、それもだいたい彼が絡んでいる。
 アンパンマン世界には彼の他に、窃盗や詐欺を働く者がいないのだろうか。

 以前考察した通り、ばいきんまんさんは常に飢えており、それゆえに食料の強奪などの犯罪を行う。これはつまり「困窮した者が犯罪に走る」ということを暗に示しているのではないか。カバオ君もたびたび飢えているが、それは必ずアンパンマンというセーフティネットによって満たされるため、彼は困窮していない。飢えているのはばいきんまんさんだけなのだ。

 ではなぜばいきんまんさんだけが食料を与えられず困窮しているか。
 すぐ思いつくのは「大食いすぎて他人の分まで食べてしまうから」という理由だが、どうもそう単純ではないらしい。まず変装しているときはいくら大食いをしてもただちに非難されることはない。しかし変装していなければ悪事を働く前から厳しく対応される。まあばいきんまんさんにはこれまで積み重ねてきた前科があるのでインガオホーとは思うが、変装などに関していっさい他人を疑わないアンパンマン世界の住人にとっては異常とも思える拒否反応である。
 そして、ある屋台を襲撃した回では、ばいきんまんさん以上に食料を奪ったドキンさんは一切糾弾されず「ごちそうさまー」と飛び去っていった。ランプの魔神を酷使して常軌を逸した量の食事を用意させたコキンさんも、何ら咎められることはなかった。おなじバイキン星の出身だというのに、ばいきんまんさんだけがいつも「騙したなばいきんまん!」と非難されるのだ。

 つまりばいきんまんさんが食料を貰うことができない理由は「大食いだから」とか「菌だから」でなく「ばいきんまんだから」という一点なのだ。このような循環論法による区別は一般的に「差別」と呼ばれている。


 ここに至って、この構造が示すものが見えてきた。
 アンパンマン世界にばいきんまんさん以外の犯罪者が現れないのは、「差別が貧困を生み、貧困が犯罪を呼ぶ」という社会の仕組みを子どもたちにわかりやすく示すためだったのだ。アンパンマンはズートピアよりずっと前から、擬人化キャラクターによる社会風刺を行っていたのだ。なんたる含蓄に富む物語であろうか(明後日の方向を見つめながら)。
 
■2016-04-18 : ばいきんまんという悪役の話
 ばいきんまんさんについては、いろいろと考えされられることがある。

 俺も一児の親となったので、もはや日本幼児の必修科目と化した『それいけ!アンパンマン』は避けては通れない道だ。
 アンパンマンの世界は非常に歴史が長く奥深いので、Huluのアンパンマンチャンネルを一通り視聴した程度では入り口にも立てぬことは明らかだが、それでもばいきんまんさんについてはいろいろ考えさせられることがある。
 
 まず彼のマニピュレータに対する熱いこだわりを見逃すことはできない。
 アンパンマン世界の機械の成り立ちは「SLの赤ちゃん」の存在をはじめとして謎が多いため、我々の感覚をそのまま適用することはできないが、少なくともばいきんまんさんは自分のUFOをDIYしており、その点でかなりの機械工学力を感じさせる。

 なかでも彼が好んで使うのが巨大な手袋を模したマニピュレータである。こいつは意のままに動かせるだけでなく、ものをかすめ取るとか、人質を潰さないように掴むなど、繊細な動きも可能な代物だ。
 そしてばいきんまんさんはこのハイテックなUFOから繰り出されるハイテックなマニピュレータを操り、それにハンマーを握らせてローテクに殴る。いきなり石器時代のテックを持ち出してくるあたり「何がなんでもマニピュレータは使いたい」という彼のこだわりが、手段と目的を完全に逆転させてしまった感がある。
 このテックの落差については「マニピュレータはそのへんに自生している機械生命体で、いくらでも収穫できる」という可能性に考え至ることで、自分の中で一応の着地を見た。


 そんな高度な科学力を持つばいきんまんさんだが、なぜか食料事情が常に困窮している。多くのストーリーの起点は、ばいきんまんさんかドキンさんが食料を求めて悪さを始めるときだ。
 これだけの科学力を持ちながら、食料事情を改善するための何か……たとえば冷凍庫とかの類を開発せずに、ただ空腹に悩まされているというのは不自然ではないだろうか。バイキン城ではまれにドキンさんとかがケーキ等を食べていることはあるが、その他の日常的な食料をどこかに保存している様子はない。基本的に彼らにとって食事というのは「そのつど奪ってくるもの」なのだ。またしても石器時代か。

 これは完全に想像になるが、「本人またはかびるんるん等の影響で、食料を長期保存できない」という環境に置かれており、それは技術力でどうこうできるレベルではないとすれば一応の説明はつく。つくが、なんと過酷な運命か。
 アンパンマンに対抗するためにやってきたこの星では、彼は常に食料を求めてネズミめいて駆け回っていなければ死ぬのである。パン工場側がバイキン城に食料を安定供給するセーフティネットを提供すれば争いは解決しそうだが、「なんのために生まれてなにをして生きるのか」を「アンパンマンの撃破」に設定してしまったばいきんまんさんがそのような施しを受けるはずがない。


 このような非常にシビアな環境にあると仮定すると、悪役として一味違う魅力が生まれてくる。「飢え」に裏打ちされた闘争心はとても説得力があるからだ。

Dioは違う!あいつは馬術も地位も食べ物さえも奪い取って生きて来た
Dioは生まれた時から運命までも『奪い取って』来た人間!
Dioは『飢えた者』!君は『受け継いだ者』!
どっちが「良い」とか「悪い」とか言ってるんじゃあない!
その差がこの大陸レースというきれい事がいっさい通用しない追いつめられた最後の一瞬に出る!
その差は君の勝利を奪い君を喰いつぶすぞッ!

――ジョニィ・ジョースター『STEEL BALL RUN(7)』
 やられ役でありながらも一定の幼児の支持を得られている理由は、この飢えた闘争心によるものなのかもしれない(明後日の方向を見つめながら)。
 
■2016-04-09 : 『いないいないばあっ!』SF説
 Eテレの『いないいないばあっ!』はSFではないだろうか。
 突然そんなことを考えた。

 子育てクラスタでない人に説明すると、『いないいないばあっ!』は『おかあさんといっしょ』のさらに低年齢層版だと思って頂いて差し支えない。
 うたのおねえさんや体操のおにいさんの代わりに、着ぐるみのわんわん(中身はチョーさん)、小学生のゆきちゃん、そして操り人形のうーたんが登場していろいろやる番組である(2016年現在)。

 で、この「うーたん」は妖精のアカチャンである。
 公式には現在記述がないが、Wikipediaによると1歳8ヶ月(人間の精神年齢では5歳程度)とのこと。
 そしてうーたんには、人形劇や歌の中で随時登場する15人の仲間がいる。お腹の虫のぐーたん、どう見ても便器のベンキー、目つきがいやらしい毛布のモウフー、あからさまに歯ブラシのハミガキマンなどである。詳しくは解説しているサイトをご覧頂きたい。

 このように過剰とも思われる人数の仲間を引き連れた妖精のアカチャンであるうーたんだが、作中にご両親の影がまったくない。
 これだけお世話をしてくれる仲間がいるということは、妖精界ではさぞかし高貴な家の生まれなのではないかと思うのだが、ご両親やご実家についてはまったくふれられていない。
 いったいうーたんとは……仲間とは……。

 ひょっとしてうーたんの「15人の仲間」というのは、アカチャンのお世話をするための育児ロボットを暗示しているのではないだろうか。
 たとえばモウフーなどは「おねむになったらとんでくる みんなのともだちモウフーだよ」と歌っており、オートマティックな行動原理を感じさせる。
 「うーたんと仲間たち」のありかたは、ねんねや食事・排泄などのリズム、お着替えやお片付けといったしつけ、はんぶんこや順番といった社会性などといったものを、育児ロボットにより自動的にアカチャンにインストールするようになった近未来を描いているのかもしれない。
 その世界ではおそらく、育児に関わる作業はすべてAIとロボットに管理され、お父さんとお母さんはわんわんとゆきちゃんという姿を借りて、ときどきアカチャンといっしょに遊ぶだけの存在となるのだろう。

 15人の仲間については、この「施設」にアカチャンを預けるときに、

「モウフー、ベンキー、ハミガキマン、チャップン、ティーちゃんの5体は衛生管理上、必須プランとなっております」
「お子様の月齢ですと、ベンキーにはオマルンが付属します」
「ぐーたんはオプションですが、外された場合は『はんぶんこ』と『じゅんばんばん』はご両親に躾けていただくことになります」
「お片付けを支援するバコンはいかがでしょうか」
「バケッパとパッパは最近人気の“お友達”です。遊びの幅が広がります。ゴットンも男の子に大変人気があり……」

 ……みたいな営業トークによって、うーたんのご両親によって契約されたものと想像できる。
 これが託児施設の不足から労働力がスポイルされている現代日本にとってのユートピアなのか、それともディストピアなのかは今の俺には判断がつかないが、近年のAIやロボットの進化のめざましさをみると、あながち空想の世界と断ずることはできないのではなかろうか(明後日の方向を見つめながら)。
 
■2016-02-21 : 魔法商店街
「プリキュアの魔法商店街が期待より全然ヌルかった」

「確かに魔法学校→魔法商店街の流れはハリポタから何年経ってんだって話だな」

「せっかく異世界なんだからもっと斬新な商店街を描いてほしかった」

「Amazonでホウキを注文すると転送魔法で即手元に届くとか?」

「あっAmazonはあるんだ」

「ある。Amazonは魔法」

「Amazonは魔法」
 
■2016-02-08 : 非実在中学生
 また新しいプリキュアさんが始まった。
 今年は「魔法つかい」ということで、魔法少女とヒーローの違いについて以前考えたことを再掲しておく。

 ヒーローと魔法少女 - OnesideFlat

 それにしても主人公の「おばあちゃんから貰ったぬいぐるみのモフルンといつもいっしょの中学2年生」っていう設定はさすがに無理ないか?毎年多かれ少なかれこういう傾向はあるけど、幼女様は中学2年生をなんだと思っているのか……?

 そういえばまれに定期テストの話題があったり夏休みの宿題の話題があったりするけど、基本自由だし文化祭は生徒会が主導するしで、なんだか小学生と高校生を足して2で割って中学生にしてみましたみたいなちぐはぐさを感じる。プリキュア界の「中学2年生」の感覚は、幼女様向けにチューンされていて現実とだいぶズレているのは間違いない。
 ワイフいわく「少女漫画ではよくあること」とのことだが……これについてはいつか掘り下げてみたい話題ではある。
 
■2016-01-10 : 看破
 娘がなんかハマってるので、『おかあさんといっしょ』の「かぞえてんぐのうた」が入ったCDを借りてきた。

「かぞえてんぐ……こいつ真面目に歌うとかなり上手いな……
 これじゃあまるで……フフ……
 歌のお兄さん・・・・・・みたいじゃあないか……」

「あなたッ!娘の前でそんな事ッ!」
 
■2015-12-22 : ようかいしりとり攻略法
 子育てクラスタの皆様はご存じだろうか、『おかあさんといっしょ』の歌『ようかいしりとり』を。

 アップテンポでジャジーな音楽に合わせて、妖怪とようかいはかせが妖怪名でしりとりをしていく歌である。軽快なトラックとは裏腹に、出てくる妖怪名はかなりガチで、聞いたこともない奴がさらっと出てくるので驚かされる。

 この歌の中で、妖怪からようかいしりとりを挑まれたようかいはかせは、

■1番(VSろくろっ首)
ろくろっくび→びんぼうがみ→みつめこぞう→うみぼうず→ずんべらぼう→うまつき→きつねび→びじんさま→まくらがえし→しらぬい→いったんもめん(勝利)

■2番(VS座敷わらし)
ざしきわらし→しちほだ→だいだらぼっち→ちょうちんおばけ→けらけらおんな→なきばばあ→あまのじゃく→くらげのひのたま→まめだぬき→きむないぬ→ぬらりひょん(勝利)

(ようかいしりとり//横山だいすけ&三谷たくみ)
 ……と、作詞者のワザマエの光る鮮やかな連勝をおさめている。


 しかし俺は知りたい!
 ようかいはかせや妖怪たちは明らかに手加減をしている。歌の尺に合わせなければならないからだ。
 歌の都合は関係なく、互いに全力で勝ちを狙いにいったなら、はたしてようかいしりとりはどのような競技になるのか!


 まずは基本的なレギュレーションを確認しよう。
  • 使える単語は妖怪名しばり
  • 最初は自分の種族名からスタートする

 それに加えて、歌詞の中からは読み取れない部分を仮に決めておく。
  • 最後のオンビキ(ー)は削除して判定
  • 拗音「ゃ・ゅ・ょ」は「や・ゆ・よ」として判定
  • 「ジ・ヂ」「ズ・ヅ」は区別しない



 次に使える単語をリストアップしてみる。
 これがいちばん大変な作業であるが、俺は妖怪博士ではないので、今回はwikipedia「日本の妖怪一覧」を流用させて頂く。
 これは「wikipediaベースの知識でようかいはかせに勝てるのか?」という指針でもある。
 この一覧をざっとエクセルにコピペして、以下の補正を行う。
  • 読みが複数記載されているものは別々に登録
  • 「山姥(ヤマンバ・ヤマウバ)」など微妙な発音の違いのみで最初と最後の文字が変わらないものは区別せず登録
  • 「婆(ババ・ババア)」の読みが両方あるものは「ババア」に統一して登録

 そして最初の文字と最後の文字を抽出して考察を行う。



 ざっと見てまず目を引いた文字は「プ」である。
 プで始まる妖怪はいないが、プで終わる妖怪がいくつかいることが明らかになった。つまりこれらを使った瞬間、相手は使える言葉がなくなりゲームは終了する。
 
 プで終わる妖怪とは「イシネカプ」「イワコシンプ」「イワメテイェプ」「コシュンプ」「ヤウシケプ」「ルルコシンプ」の6種である。
 全部アイヌ語ではないか、アイヌ妖怪はアリなのか、という声が脳内を満たしたが、結論からいえばアイヌ妖怪の参戦はアリである。ようかいはかせ自らが「キムナイヌ」を使用しているからだ。

 したがって、今年お亡くなりになり無事妖怪の仲間入りをしたと思われる水木しげる先生が、ようかいはかせの所へ行ってようかいしりとりを挑んだとしても、「ミズキシゲル」→「ルルコシンプ」で即死して終わる。まあ水木先生であれば「プ」で始まる妖怪をご存じである可能性もあるので断言はできないが。
 いずれにせよ我々のレベルでは、このアイヌ6妖怪に連なる「イ・コ・ヤ・ル」の文字で終わったら、次のターンで確殺されることは注意しておく必要がある。


 次に注目したいのは「ズ」だ。
 リストの中に、ズで始まる妖怪は「ズンベラボウ」しかいない。そのくせ、ズで終わる妖怪は歌詞にも出てくる「ウミボウズ」をはじめ、「アカボウズ」だの「クロボウズ」だの坊主系が各種取りそろえられていてかなり手厚い。その数なんと全26種類。ズで攻めるのはかなりお手軽で、かつ攻撃力が非常に高い。
 一度「○○ボウズ」を食らったら「ズンベラボウ」で耐えたとしても即座に「ウミボウズ」か「ウミナリコボウズ」でガードを崩される即死コンボが確定するため、相手に坊主系を使わせないよう立ち回る必要がある。

 となると、先ほどの「イ・コ・ヤ・ル」に加えて「アウオカクグケザシセタトドニヌノ」の16文字が一気に地雷ワードに加わる。
 ようかいはかせが本気なら、二戦目の座敷わらしなど開幕の「ザシキワラシ」を「シロボウズ」のカウンターで取ってからの10割コンボで終了しているのだ。同居人なので気を遣っているのだろう。

 ここまで地雷ワードが増えると、そこから芋づる式に地雷が増えていく。
 たとえば「ベ」で始まる妖怪3種はいずれも「ウ」か「ン」で終わるためこれも即死ルートへの道を開いてしまう。
 同様に「ラ」で始まる妖怪4種も末尾が「ウ・ニ・ル」なので致死である。
 「ベ」で終わる妖怪は6種しかないが、「ラ」で終わる妖怪は26種もいるので誘い出されないよう注意が必要だ。


 もう少し研究すればさらにコンボルートが増えると思われるが、この段階ですでに「ン」を含めて23文字が地雷と化した。用意した全データ1171種のうち571体、ゆうに49%が「使用した瞬間に死ぬ」ワードである。別の言い方をすれば、ようかいはかせにとってみれば約半数の妖怪が「戦った瞬間に勝ち確」というわけだ。
 さすがにそれは可哀相だろう、せめて最初の妖怪名くらいは選ばせてやるべきでは、とも考えたが、そうなると「じゃんけんで先攻を取ってルルコシンプをぶつけたほうが勝ち」というゲームになるのは確定的に明らか。妖怪図鑑を丸呑みするよりじゃんけんの腕を鍛えるべき、という結論になってしまう。


 よって、ようかいしりとりでようかいはかせに勝ちたいのならば、いきなり即死コンボをたたき込める妖怪と化して挑むのがベストである。
 先ほどの座敷童も、座敷童のままでは開幕即死だが、別名義の「お倉坊主」で参戦すれば逆に開幕10割をたたき込んで圧勝できる。
 もしあなたが妖怪と化してようかいしりとりの覇者となりたいのであれば、「瀬坊主」か「黒坊主」あたりがてっとり早い。
 瀬坊主は阿武隈川に身を投げればワンチャンあるし、黒坊主は夜な夜な女性の寝室に忍び込んで口を嘗めるただの変質者だった可能性がある。
 ただし前者は死ぬし、後者は社会的に死ぬ。


 こうなる予感はしていたものの、なんとも味気ない結果になってしまった。
 唯一の救いは、今回使った語群がwikipedia準拠だということで、wikipedia先生の知らない「プ」や「ズ」で始まる妖怪がまだいる可能性が十分あるということだ。
 今後の妖怪研究に期待したい。